もうじき映画「ゲド戦記」が公開されるということで、今年久々に注目を浴びている作家ル=グウィンの新シリーズです。(「ゲド戦記」ほど哲学的ではないので読みやすいと思います。)
第二巻は「Voices’」、第三巻「Powers」とすでに三部作になることが発表されています。(もっとも、「ゲド戦記」も三部作の筈でした。)
「ギフト」は、タイトル通り「西の果て」での物語で、第一巻は「高地」と呼ばれる北東部の物語です。「ギフト」とは、天からの賜物で、「血」として同性の子供に引き継がれてゆきます。この「ギフト」が大きな力を持っているのが、「高地」の特徴です。「高地」は、いくつかの領国に分かれており、それぞれが「ギフト」を持ったブランターによって管理されています。
主人公のオレックは、その「ギフト」がなかなか表れずに苦悩し、コントロール出来ない「暴れギフト」であるということに悩みます。この物語は、オレックの「ギフト」を巡る心の物語です。「ギフト」が暴走しないように、四六時中目隠しをして暮らす中で、彼が何を考え、どんな結論を出すのかが、この物語の主題です。
このオレックの苦しみをいつも信じて見守ってくれている女性グライがいます。実は、この二人がこのシリーズの進行役のようです。あとがきには、脇役としてこの二人が紹介されています。この後のシリーズで、本当の主役が登場するのでしょうか?それとも、この第一巻も「ギフト」が主役と言えば言えます。そういうことでしょうか。いずれにしても、来年発刊の「Voices’」が待たれます。