マックスウェル・アンダーソンの戯曲を無頼派監督ジョン・ヒューストン
が映画化した、骨太のアクション・ドラマ。
高飛びのために、フロリダの小さなホテルに篭城する伝説のギャング、
ジョニー・ロッコ(E・G・ロビンソン)とその一味。かつての戦友の未
亡人(L・バコール)と父が経営する、そのホテルを訪れたフランク・マ
クラウド(H・ボガート)は、ロッコ一味と戦うことになる…。
小さなホテルで話が展開するという密室性が、緊迫した状況を静かに、
しかし、確実に高めていき、ハリケーンの到来とともに頂点に達するあ
たりのヒューストンの演出は実に巧い。主要人物3人(ロビンソン、ボギ
ー、バコール)の心理的葛藤の描写は的確である。
それまで、「静かなる男」だったボギーが、ハリケーンの到来とともに暴
力性を爆発させるという、閉塞から開放への映画的呼吸も素晴らしい。
霧深い洋上の船上での対決は(狭い船なので、ボギーは戦略を立てて反撃
に出る!)、手に汗握ること請合い。40年代のワーナー活劇の秀作の1本
といえるだろう。
本DVDは、予告編が付いてる以外に特典映像などはない。しかし、本編の
画質は、過去に発売されていたヴィデオ・LDより確実に向上している。
惜しむらくは、味のあった「手書き字幕」ではなくなったことか。