不況といいながら、街には、次々と新しい建築物が登場している。著者は1990年以降に建てられた日本の現代建築60作品を、マテリアル系、記憶系、ナチュラル系、IT系、グローバル系、モード系、ライフスタイル系に大別して紹介。それぞれに「ヒーリング」「ビンテージ」「ケータイ」など、従来の建築批評とはやや視点の異なるキーワードを当て嵌め、それによって時代の流れとリンクした考察を重ねている。そのどれもが、的確で実に面白い。何気なく眺めている街の建物には、こんな意味が込められていたのか、こんな狙いがあったのか、ということを時代の現象とともに、解き明かしてくれる格好のガイド。ぜひ一読を。