ビートルズが開いたドアを多くの者が通り抜けて行った60年代後半のいわゆるサイケデリックエラの名盤の1枚である。
オリジナル曲は少ないが、シャウトも十分できる歌唱力を持つボーカル、不思議なオルガン音、ひずんだギター、これまでにないリズムを刻むドラム、自己主張するベースと当時のサイケデリックバンドのいいところだけを集めたようなバンド、ヴァニラ・ファッジの最高傑作。
ただ、このアルバム、そして、このバンド自体、単にサイケデリックエラ云々で片付けてしまえないところがあるのだ。日本盤のアルバムタイトルになっている曲は名曲、そして、なんといっても1曲目のビートルズの「涙の乗車券」のカバーは秀逸。作者のレノンがこの曲をして史上初めてのへヴィロックといったとおり、きちんと、へヴィな楽曲に仕上げているところはさすがである(ちなみに最終曲も「エリナ・リグビー」で当時いかにビートルズの影響力が強かったが分かる)。
ちなみに、この後、このバンドのカーマイン・アピスとティム・ボガードがジェフ・ベックと組んであのスーパーバンドを組むのは有名な話である。が、実はこのヴァニラ・ファッジの時代からこの3人は関係があった様でジェフ・ベックがこのバンドのヘルプとしてギターを弾いたこともあると言う。そんな風に歴史的な意味でも重要な一枚。
紙ジャケ、リマスターでロックが再評価されている中、絶対はずせない、楽しめる1枚であるのも確かである。