オリジナルへのリスペクトを忘れず、撮りたいものが撮れるようになって、新しい技術を手に入れたらこんな風に作りたいという意気込みが伝わってくる、まさにオタク監督渾身の1本ですね。とことん究極の“見世物”に徹している。監督のその姿勢は潔い。
まったく上映時間は3時間8分と、かなり長いです。と、いうのも前半の登場人物について、さらに中盤からのコングと美女との交流についてかなりの時間を割いているから。
お陰で、髑髏島での騒動、ニューヨークでの混乱での登場人物たちが単なるやられ要員の域を超え、より味わい深いものになっています。もちろん、話は怪獣と美女との、恋愛も人間愛も超越した愛情を描くものだから、深く描かれている分だけラストの感動も大きいというものです。またナオミ・ワッツ扮する女優がコメディ専門という設定が活きています。
最新技術と融合して生み出したコングの表情。美女の様子をうかがう仕草、恐竜との闘いの後に生死を確かめるところなどの動きも細かい! コングの手の中からのナオミ・ワッツの目線とか、誰も考えつかないようなカメラワークが凄い。地平の向こうから照らす朝日が美しい。あと、個人的に一番好きなシーンは、コングが凍った川でアイススケート(?)に興じるシーン。ユーモアあふれ、ロマンティックで忘れがたい名シーンでした。