私は前のリメイク版も嫌いじゃないですが、向こうはコングと美女の恋愛描写、
ジェフ・ブリッジスがイイヤツに描かれ過ぎてる、恐竜が出てこないのが残念でしたが、
今回はコングと美女には恋愛というよりかは動物愛的に描かれてて、
ヒロインを助ける男性が出番も見た目も地味、恐竜とか虫とかの多いです。
出てくるシーンは当時の最新技術を使って迫力のある映像に仕上がっていますが、
基本はオリジナルをリスペクトしているので、正しく『現代の技術でキング・コングを作ったら?』といった感じです。
しかも今回は前回のリメイク版では人間側は悪としか描かれてなかったですが、
今回は『金銭的にも破滅的で、藁をもすがる思いで何か持って帰りたい』
『たった一人の女性を助けるために仲間がたくさん殺された』
『愛する人を守るために、命を懸けて助けにいく』と、人間側の誰もが絶対悪として描かれず、
そしてコングも、今までなら殺してきた生け贄を生かしてしまい、
最初はお互いいがみ合いながらも、今までの女性とは『何か』が違うのを感じたコングも、
凶暴な姿の裏で、たった一人ジャングルのキングとして君臨し続けたが、
その中に隠れた孤独を感じ、彼のために何かしてあげたい美女が、
次第に心が通じ合い、固い絆で結ばれていく描写はよく描かれています。
ただ、それだけにたった一人の女性を助けるために命がけでやって来た男性に対し、
コングがジャック・ブラックや恐竜よりも一番憎い相手として描かれていることや、
どちらにつくかに交錯する美女の立場も、仕方がないとはいえ、見ていて悲しすぎる。
最初は(そんなにブン回したら死ぬぞと思うくらい)ぞんざいに扱われた美女が、
恐竜のシーンでは命がけで必死に守る手となり、そして氷の上でのシーン、
コングの中で、一目惚れではなく、徐々に大きくなっていく美女の存在がそれだけで描かれているのは
素晴らしいと思った。美女じゃなくてコングの方に。
だが、それだけに結末が残念。確かに今までオリジナルをリスペクトしているだけに、結末を変えるわけには
いかないと思いましたが、それにしても美女がどうしてコングの死に悲しむ直後に
易々とあんな男に惹かれたのか(明らかにコングに比べると、何でって思う)
あとジャック・ブラックが全編に渡って重要な役柄なのに、後半は善にも悪にも見せ場がなく、
最後に『あの名台詞(本当は故・フェイレイが言う予定だった)』を言うだけと言う、
いまいちこの三人のラストの扱いが『何で?』って思ってしまうだけに
それだけが今までのいい部分を全て帳消しにしてしまう。
それなら前回のリメイク版のようなシュールな終わり方にして欲しかった。