伝説の王、アーサーとその騎士たちが魅せる、スペクタクルロマン。
賛否両論は多いが、有名で壮大な物語ゆえに、時間内での映像化で無理が出るのはいたしかたないかなと思いました。
この伝説自体がいろんな諸説があるし、伝説ゆえの美談要素が大きく、アーサーは高潔無比の英雄であったり、ランスロットは完全無欠の騎士として描かれることが多い中、この映画はもっと人間臭い描かれ方をしているので感情移入がしやすく、伝説に忠実でなくても、十分楽しめる作品に仕上がっているのではないかと思います。
難点と言えば、主人公が誰かわかりにくい印象を受けます。もちろん主人公はアーサーなのでしょうが、視点の移り変わりが激しく、彼よりもランスロットや他の騎士たちの方に目がいってしまします。
原作の伝説はファンタジー要素が多いが、この作品では魔法や妖精は出てきません。どちらかというと、「史実」としてとらえた作品です。登場人物の相関図も、かなり違う設定になっているので、「原作とぜんぜん違って面白くない。」という意見もありそうですが、切り離して見たら、映像美や、スケールのすごさ、情緒的な物語が素直に楽しめると思います。
アーサーとグウィネヴィアとランスロットの三角関係が有名な話ですが、それにもあまりスポットがあたっていません。それについても批判が多いようですが、言葉で「語っていない」だけで、彼らの「表情」で心理は、十分語られていると思います。ランスロットのグウィネヴィアに対する気持ちは、恋心と言うよりはむしろ、アーサーを慕う者同志としての眼差しというかんじで、うんざりするような泥臭い三角関係と違ってとてもステキに思えました。
他にもいろんなシーンで、役者たちは、「セリフ」ではなく「表情」や「目線」で語りかけます。それを見逃さなければ、とても面白い作品です。