この巻は圧巻です。戦国七雄の主要国による「最強連合軍」に包囲されつつある秦。連合軍を率いる軍師たち、すさまじい気迫の将校など、古代中国戦国時代に実在した強烈なリーダーたちの群像。そして秦の首脳部の苦悩。今回は宰相の呂不韋陣営と非主流派の確執もなにもない、秦の国の存亡がかかる、かつてない、最大級のピンチ到来です。
そんななか、秦の戦士たち、とくに信と飛信隊のダイナミックな躍動、飛翔に胸が躍らされます。スケールの大きな軍の展開シーン、そして戦闘場面の描写はますます磨きがかかってきて、作者はこのヒット作を描きながらさらに実力をつけてきている、作品がこんなにも作者を育てるものなのだなあと実感させられてしまいます。
歴史上の結末はわかっているわけですけどそんなことは超越してわくわくさせられます。秦による統一前の、実に五百年にもおよんだ中国史の壮大な戦争、戦国時代の巨大スペクタクル、いよいよ歴史上のクライマックス、佳境にはいってきた、という感じです。この巻は圧巻でしたがこの次もさらにパワーアップしそうな予感がします。文句なく星5つだな。