帯によると、2012年、NHKによるTVアニメ化が決定したとか。個人的にはアニメにはあまり興味はないものの、それだけこのマンガが評価されたということだろうと思うと嬉しい。
さて、今回はあまり激しい動きはないが、次の巻あたりから語られるらしい「大きな戦い」に向けて、嵐の前の静けさといったところ。嵐の前に冷え込んでくるように、何やらヒリヒリした緊迫感が伝わってくる。この先への下地として重要である。
それにしてもこの時代を描くのは作家にとってはかなり大変なことだろうと思う。何しろ戦国時代で、『三国志』ならまだ国は三つなのが、ここでは七つの国が争う。全体の事情もあれば、物語の中心である秦の内部の事情もある。ややこしい。それでも作者の原さんは、その辺の事情をわかりやすく語ってくれるし、国の駆け引きをめぐる大きな動きと、より身近な、信とその仲間たちをめぐる小さな動きとを巧みに混ぜ合わせて飽きさせない。ここでは楚という国が、どうやら大きな意味を担って登場してくる一方、さりげなく人の絆を感じさせるエピソードも織り込まれて和まされる。新しい登場人物もあり、また次々に新たにわかってくる事実もあって、これらは先へ向けての伏線的な意味合いもありそうで期待がふくらむ。
国と国との戦いも、これまではわりに1対1の扱いで済んできたが、ここからいろいろ絡みだすとますますややこしいだろう。作者の腕の見せ所でもあり、面白くなりそうだ。