DVDの通常版と、Bru-rayのディレクターズカット版の両方を保有しています。この映画は、私のお気に入りです。
最初に通常版を購入し、その後ディレクターズカット版を購入して見比べて、驚きました。
通常版は、時間的な制約から、ディレクターズカット版より多くの物語の展開がカットされて、セリフもそれに合わせて、細かく修正されていることが分かりました。
もし、これから新規にこの映画を購入されるのでしたら、Bru-rayのディレクターズカット版がお勧めです。ただ、Bru-ray版の唯一の不満は、DVDの通常版には、史実解説の字幕があるのですが、それが収録されていないことです。
以下は、ネタばれになりますが、DVDの通常版と、Bru-rayのディレクターズカット版の違いです。
知りたくない人は、読まないでください。
最初にバリアンに殺される神父は、ディレクターズカット版では、バリアンの異父弟。この神父は、バリアンを追い出し、バリアンの財産を奪おうと画策しており、バリアンは妻の自殺後に、発狂したとして、この神父のために投獄される。また、この神父は、教会のビショップには、バリアンの妻の首を切り落としたことを隠しているが、後でバリアンにそれを自分でばらしてしまう。バリアンが、怒りを爆発させた理由はここにある。
バリアンは、単なる鍛冶屋ではなく、ディレクターズカット版では、投石機などの武器の製造に優れ、銀細工もでき、戦歴もあることが分かり、イスラエル到着後は、国王に対して、城壁の防衛についても助言をする。それが理解できれば、最後の戦闘シーンで、バリアンがエルサレムの防衛で優秀な戦術を使うことができた理由が分かる。
バリアンの住む村は、ゴッドフリーの兄が治めているが、領主の城内のシーンは、通常版にはない。兄は、ゴッドフリーが後継ぎなしに死ねば、ゴッドフリーの治めるイスラエル内の領地も、自分と息子が受け継げると期待する。ドラマの始めに、バリアンの引き渡しをめぐって、激しい戦いが始まる理由は、ここにある。
ディレクターズカット版には、イスラエル国王(ボードワン4世)の世継ぎとして、シビラが産んだ幼い子供のボードワン5世が登場します。しかし、この5世も、即位後にライ病にかかっていることが分かり、シビラは、彼を毒殺します。その後にシビラは、夫のギーを次期国王に戴冠します。通常版は、ボードワン5世のエピソードを、全部カットしています。
シビラは、バリアンとの不倫関係に陥りますが、ディレクターズカット版では、ギーも別の女性(シビラの召使い?)と不倫関係にあることが分かります。
ディレクターズカット版では、バリアンは、イスラエル開城後に、ギーと対決します。通常版を見ていると、捕えられたギーはサラディンに引き回しにされて処刑されてしまったかのように見えます。(ちなみに、特典映像の解説では、捕虜にした敵将にカキ氷の入った水を与えるのは、処刑しないという印になります。)
あと、最終シーンで、バリアンが懐かしげに触れる白い花の低木は、ディレクターズカット版では、バリアンの妻が妊娠中に(自殺する前に)植えたもの。妻の、はにかんだような笑顔がかわいい。バリアンが、故郷を離れている間に、この木がここまで大きくなったという時間の経過も示している。妻が植えるシーンは、通常版ではカットされているので、バリアンが、この白い花の木に触れることの意味は伝わらない。
Bru-rayのディレクターズカット版で、特典満載のディスクの付いた特別編が今後出ることを期待しております。