要約すると格闘技版のロミオとジュリエットであり、主演のウィルソンのアクションは少ないし、制作費の少なさからかチープな感じはするが、日本では知られていないアメリカ社会の一面を垣間見る事の出来る希有な作品である。まず、アジア人男性と白人女性のカップリングはアメリカ社会では最大のタブーの一つである。よってアメリカのメインストリームカルチャーでは、絶対にこのカップリングはポジティブに表現される事はない。その意味では本作品はB級とはいえ、かなり冒険していると言える。もう一つは主演のウィルソンが厳密には白人の父親と日本人の母親をもつハーフである事。アジア人の血が混じっている事を隠したがる人間が多いアメリカのエンターテインメント界には珍しい存在で、そのハーフの彼が、東洋人よりのルックスゆえに本作品で生粋のアジア人を演じるという事が、例え半分白人であろうと、ルックス次第では、マイノリティーとして扱われるというアメリカ社会の冷たい一面を垣間見る事の出来る作品である。ロミオとジュリエットを下敷きにした単純な作品と捉えられがちだが、アメリカ社会の一面をリアルに現す事に成功しているとも言える。現在も、盲目的にアメリカの白人社会に憧れを抱いている日本人に本作品はお薦めです。