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キングの身代金 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-11)
 
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キングの身代金 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-11) [文庫]

エド・マクベイン , 井上 一夫
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

野心家のキングは窮地に追い込まれた。彼の息子の誘拐を企てた犯人が、誤って運転手の幼い息子を連れ去ったのだ。身代金の要求は50万ドル。もし支払えば、キングの一生の夢である会社乗っ取りの賭けが打てなくなる。だが拒絶すれば罪のない命が……黒澤明監督の映画「天国と地獄」の原作

登録情報

  • 文庫: 302ページ
  • 出版社: 早川書房 (1984/7/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4150707618
  • ISBN-13: 978-4150707613
  • 発売日: 1984/7/1
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 419,989位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
87分署の10作目にあたる本作は、黒澤明の『天国と地獄』の原作としても知られています。誘拐団が金持ちの息子を誘拐しようとするのですが、間違えて金持ちの邸宅に同居する運転手の息子を誘拐してしまいます。しかし、犯人たちは当初の予定通りその金持ちに身代金を払わせようとします。「お前が身代金を払わなければ運転手の子供を頃殺すぞ。そうなったらお前の良心は耐えられないだろう」というわけです。なかなかうまい作戦であり、身代金を請求されるのは被害者の家族でなければならないという常識を打ち破るものです。

この物語の肝はその犯人の作戦にあり、それを巡る金持ちの心理的葛藤や誘拐団の内部対立などが中心的に描かれています。特に脅迫される金持ちの人物描写や、彼が経営に関わる製靴企業の内紛に多く筆が割かれています。その分、87分署の刑事たちの活躍はあまり目立ちません。刑事たちが脇役に回るという、本シリーズ中の異色作です。

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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
87分署シリーズとしては平均点の出来なのだが、日本では黒澤明監督の映画「天国と地獄」の原作として有名となった。誘拐物なのだが、職人マクベインは新しい趣向を発明した。

犯人は金持ちの子供を誘拐しようとして、間違えて貧乏人の子供を誘拐してしまうのである。しかし、金持ちは体面と倫理観とで身代金を払うという態度に出る。ここが新発明で、誘拐犯はある意味誰を誘拐しても良いという論理が成り立ってしまう(成功するか否かは別として)。これに絡む関係者間の葛藤も面白い。犯人もこの取り違えに動揺するのである。

87分署シリーズの中では、いつもの警官達の汗と怒りにまみれたチームワークの描写は影を潜め、作者のアイデアを軸に物語が展開するという異色作である。そして、もう一つのアイデアは身代金の受け渡し方法である。映画でもこのシーンが最大の見せ場になっていた。斬新な誘拐劇を見せてくれる87分署シリーズの快作。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 87分署シリーズ初の誘拐もの。このシリーズでは珍しく、物語の視点が被害者側と加害者側の2つにほぼ固定しています。
 注目すべきは、被害者であるキングと、加害者たちが全く同じタイプの人間であること。彼らが剥き出しにするエゴイズムと、人生に対する怨み、悩み。これはもしかすると、この小説を読んでいる自分自身のものでもあるのではないか? 他人事とは思えない緊迫した心理ドラマに、思わず引き込まれてしまいます。
 身代金の授受方法にトリッキーな趣向が用意されていますが、それが邪魔に思えるくらい読み応えのある「人間サスペンス」。
 冒頭、あまりにも「登場人物紹介」然とした人物の出し入れには少々引いてしまいましたが、初期87分署シリーズの中でも屈指の佳作といえるのではないでしょうか。
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