キロのベストセラー『Language of the hand』の和訳本だが、
初心者にも読みやすくつくることを念頭に置いたため、
原著に書かれている文章の大部分が監訳者によって、残念
ながら改悪されている。原著の構成も大分変っている。
むろん、原著と比べてページ数も少ない。
また、原著には、有名人のハンドプリントが豊富にあり、
それをキロが解釈しているが、かなり省かれており、
解釈すら和訳されていない。キロのすごさは、有名人の
ハンドプリントを解釈するという本の構成にあるのに
もったいない。当時は画期的だったはずだ。それは、
現在の手相の本が、キロの本と基本的に同じ構成を取って
いることからもわかる。
また、自殺者、殺人者といった手相は、現代の手相術と
異なる点が多いので省いたとされているが、何が異なる
のかは一切書かれておらず、不親切だと感じた。原文を
そのまま活かし、それについて手相家として分析するの
が、監訳者の仕事だと思うのだが、それを削除
するのは、もはや著者に対しての冒涜でもあると考える。
本書の初版が発行されたのは1897年になる。今から114年
前になるので、必ずしも原著に書かれていることが、現実
の手相の現場で活用できるかというと、そうでもないだろうが、
それでも削除とか改悪は本人の本ではないので止めるべき
だっただろう。現在との比較を載せることで、本を読む
人も勉強になるはずだ。
そこまで、改悪をしておいて、キロの手相の歴史に対する
トンデモな解釈については、削除も何もなく、そのまま
スルーしている。
ただ、表紙はキロの昔の本の復刻版にアレンジを加えた
もので非常にセンスがあってカッコイイと思った。
これで中身が伴っていれば……と。期待していただけに非常
に残念である。ゆえに★ひとつ。
ちなみに原著もさほど難しい英文は使われていないので、
原著を読んだほうが勉強になると思う。