かの20世紀を代表する哲学者かつ平和主義者のバートランド・ラッセルも有名なBBC放送での講演の中で、「キリスト教は歴史上人類社会にとって何一つとして良きことをしてこなかったし、むしろ人間社会の発展を阻害することしかしてこなかった」旨の発言をしていますが、この本の内容はキリスト教のそういう暗部にスポットライトを当てて一つ一つ面白く解説しているものです。
軽い読み物文庫の一冊ですので、しゃっちょこばった表現ではなくあくまでも楽しい読み物といった編集・文体になっています。
キリスト教をより広い観点から楽しみながら知りたい人にはおすすめです。
ま、私からすると、宗教(あるいは擬似宗教としてのマルクス主義とその亜流も含めて)というものは、キリスト教に限らずどれでも多少の差はあれこの書で非難されているような陰惨な行為をしてきているもので、このことからすると人間という存在・あるいは種の「ほの暗い一面」があからさまに表出してきた物の典型の一つが「宗教」なのではないか、などとも思っています。