プレゼンテーションのポイントについて、準備段階から実践ま
での手順を追いながら解説している。
私が思うにプレゼンテーションを扱った書籍は大きく分けて
2つの種類がある。
1つは、ビジネスマナー本のような新卒の社会人に向けて書か
れたものである。2つめは、ある程度のプレゼンの基本をおさ
えた人に向けて書かれた本で、よりスマートで聴衆のイメージ
をかきたてるような高度なプレゼンを目指して書かれている。
簡単に言えば、プレゼンで失敗しないための本とプレゼンで成
功するための本だとも言える。
本書の内容は、やや後者よりの内容になっている。
本書の特徴は、パワフルなメッセージを伝えるために、威厳に
みちた態度で話し、場にリーダーシップを発揮する方法にある
だろう。同じプレゼンを扱った本でも、例えば感情を出来る限
りだして身近さの演出をすすめるものもある。本書は、それに
対して、毅然とした態度で、ユーモアを交えても本人は絶対に
笑わないようにと教える。身近さを売りにするプレゼンが共感
を狙っているとすれば、本書で紹介されるプレゼンはリーダー
シップで聴衆をぐいぐい引っ張っていく印象をもった。
すでにリーダーのポジションについている人は、軽妙なセール
ストークよりも本書のようなパワフルさを印象付けるプレゼン
が適当であろう。そういう人に向いていると感じた。
また、本書は原稿を作成してそれを読むスタイルである。原稿
を読むプレゼンはNGと言う人もいるが、ケースバイケースであ
ろう。原稿をしっかりと準備するため、言葉選びはもちろん、
韻をうまく使う方法、間の取り方などをあらかじめ計算してプ
レゼンを設計している。原稿は用意するべからずという本より
も手堅いプレゼンになるのだろう。