この著者の本は初めて読んだ.テレビでも旅行記は放映されたようだが見ていない.
著者がキューバで触れ合った人々との交流の記録である.出会った人々が半端なく愉快である.そして著者の暖かい視点が何より感じられる.生活の苦しい友人たちにたかられても,サンテリアの儀式でボラれても,その彼らの生活が見えているから,怒りの対象は実際には当事者に向いていない.著者と同じようにゆるい計画で2度キューバに行ったことがあるが,その度に著者と同じような経験をした.著者が出会った人だけでなく,キューバ人のかなりの高い比率で底抜けに陽気で,貧しさを嘆きつつも希望を持っている.そこが現代の日本とは対極にあり,著者に対するキューバ人の驚きもそこから来ている.
この本で,著者が出会ったキューバ人はハバナ在住の人が多いだろうが,それ以外の農村に住んでいる人の生活はかなり違うだろう.まだハバナの人は余裕があるとも言える.その点は割り引いて読まねばならない.