著者は、キャリアがうまくいくためには個人のニーズと組織のニーズがダイナミックにマッチングすることが必要であると主張する。そしてこの冊子はそのうちの組織ニーズ(職務と役割、さらにその変化)を明確化し戦略的にプランニングすることを具体的なエクササイズを通して導いてくれる。組織ニーズに焦点をあてている点ではキャリア本とは呼びにくい側面もあるが、最近のキャリア本がステイクホルダーや組織のニーズをほとんど考慮せず、個人の責任におけるキャリアづくりのみを強調するものが多い中で貴重なものであることは間違いない。姉妹書の『キャリア・アンカー』を併用し、個人ニーズの明確化も同時に行えば、自身のキャリアを深く考える上で多くの示唆を得られることと思う。キャリア教育を真に考えている人事の方にも必読の良書である。