著者はハローワーク等で実際にキャリアコンサルタントとして仕事をしているようで,赤裸々なキャリアコンサルタントの仕事の中身をうかがい知ることができます。あまりキャリアコンサルタントに関する書籍の読書経験はないのですが,少なくとも実際にキャリアコンサルタントがどのような仕事をするのかの具体的な中身を知ることができるだけでも価値があると思います。特筆すべきは,1頁ではありましたが著者がキャリアコンサルタントの失敗例を挙げていることです。たいていのキャリアコンサルタントの書籍には,キャリアコンサルタントの成功例が多く記載されていますが,失敗例を掲げたものはありませんでした。キャリアコンサルタントといえども万能ではない,時に失敗しながら,反省を繰り返しながら成長していくのだという一面を見て取れます。
著者はキャリアコンサルタントにはコンサルタントしての知識,スキルがあるだけではなく,人事労務の知識がありかつそれらを自在に活用していくことが必要と述べています。また国の各種施策の情報提供や利用を勧めており,著者なりの実務上のキャリアコンサルタントの求められる姿が書かれています。
キャリアコンサルタントは脚光を浴びている職業と言われています。単に職業のあっせんや紹介だけではなく,クライエントの人間観や職業に関する意識などを追求し,「満足できる就職」を目指すことを目的としていますが,どうも現状はキャリアコンサルタントはそこまで深入りせず,いわゆる「出口支援」に終わっているきらいがあります。キャリアコンサルタントの資質は何かを問われているような気がします。