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28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
鋭い指摘もあるが、著者はこれを肯定するのか、否定するのか。その辺がはがゆい。,
By patella (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: キャラ化するニッポン (講談社現代新書) (新書)
著者はバンダイの「キャラクター研究所」所長。へえ、そんな研究所あったのか。どんな研究をしてるのだろう、と言う興味もあって読んでみた。 「キャラが濃い」「キャラがかぶる」など用法も広がっているこの言葉が示す社会。要するに情報世界ばかりが巨大化することによって、現実離れして歩き出した社会を象徴するものが「キャラ」、ということになるだろうか。 研究所の調べたデータなども使用し、鋭い指摘も結構あるがまだまだ雑な「推論」も目立つ。「日本人とキャラクターは長い歴史の中で切っても切れない蜜月関係を築いてきた、そして、その関係は日々、ますますその濃度を増しているともいえる。(第二章p62)」というけれど、「第一章 キャラクターと日本人の精神史」で記載されたのは太平洋戦争後の事例ばかりである。数十年で「長い歴史」というのは「そこまで時間感覚までも変化しているのか」と、時代に取り残された気分になった。おかめ、ひょっとこや福助さんなどのもっと古いキャラクターや、日本以外のことにももう少し触れて欲しかった。 「現実生活においても、「生身の私」と「キャラとしての私」のヒエラルキー逆転が起こるかもしれない。(p174)」と著者は予兆して終わる。肯定も否定もしない。少々はがゆい。著者(およびキャラクター研究所)は情報提供に留まり、それ以上はいえない、ということなのか?まだまだ新書にはきらりとした「一般向けだが手を抜かない」ものもあるけれど、このごろ「あ、そうかも。だからなに?」と通り過ぎるだけのものが増えてきた気がしてならない。この本もそういった感じになっている。まさに著者が書いている「データベース型の消費形態」=断片としての情報だけをランダムに消費する(p141)に向けての一冊のようだった。 「キャラ」などとは言わなかったけれど、昔から「レッテル貼る」とかいろいろな言い方で人間は「言葉で定義することで理解する」作業をしてきたはずである。言葉で切り取られた一面として単純化しなければ理解の一歩が進まないのも現実である。言葉で切り取り、「キャラ化」させたり「レッテル」を貼ったりして理解しても、それはある限定をしたものであり、現物は切り取れない様々な様相を持つものであること。それを分かった上で(悪い言葉かもしれないが)「使い分けて」現実世界を生きていく。それが大人ってもんじゃないだろうか。それができずに「キャラ化」の世界に捕まってしまう「子供状態」からどうしたら「大人」になれるのか。いや、もしかしたらそんな「大人」にならなくてもよいのか。そのあたりまで議論して欲しかった。
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
目新しものはとくにないし、それに害悪でもある,
By
レビュー対象商品: キャラ化するニッポン (講談社現代新書) (新書)
これだけ毎日、朝から晩までテレビやネットで「キャラキャラキャラキャラ」とわめき散らされていて、新書でなかったのが不思議なくらいであるが、『キャラ化するニッポン』というタイトル の本書。ありそうでなかった本であるが、そんなエアポケットのような話題の空白を見つけた ところに、この著者の功績があるのかもしれない。 それだけに興味惹かれるが、同時に求められるもののハードルも上がるというもの。残念ながら、 本書がそのハードルの高さをクリアしているとは言い難い。東浩紀や伊藤剛の理論を援用する あたりは、この本のタイトルを見ただけで予想できるが、それ以上に深まっていくことはない。 学者などがよく、「大学生の卒論レベル」といって本を貶すことがあるが(「卒論レベル」を超える 卒論を書いた学生にとっては失礼な話である)、これこそずばり、「大学生が思いついて書き そうな水準」と言う意味で「卒論レベル」の本である。 しかし、それ以上にまずいのは、著者自身がこの「キャラ化」なる現象にむしろ肯定ぎみであ るということだろう。このキャラ化が、本書のどこをどう読んだら「魅力的」に映るのか、僕は 理解に苦しむのだが、書いていた本人にとっては「魅力的」なのだそうだ。 なんでだろうなんでだろうと思っていたら、この人の肩書きはバンダイキャラクター研究所と かいうものの所長。「キャラ化していないニッポン」と「キャラ化するニッポン」、キャラクター ビジネスにとってどちらが都合よいかといえば、俄然後者。 結局、売る側の立場から考えてるってことですね。
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
ホントにキャラを理解してるの???,
By ねこたま (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: キャラ化するニッポン (講談社現代新書) (新書)
たまたまテレビでこの方の「キャラ化する日本」についての論説番組を見て、キャラ研などというものがあることに驚いたのと、自他共に認める自称キャラ好きである自分としては、もっと深くキャラについて知りたかったので、この本を読んでみたが、結果はガッカリ、最後の方は流し読みになってしまった。要は、テレビでの論説以上のものがこの本には特別書かれてはいなかった。 キャラというサブカルチャーは確かに日本特有のものであるとは思うのだが、その説明があまりにも脆弱で、通り一遍過ぎる感じがしたし、深くなかった。日本人のキャラ化を語るならアニミズムにまで言及して欲しかったし、それこそが日本特有のキャラの根っこのところにあるもののような気がする。 結局著者の捕らえるキャラ化は、キャラをお金に結びつける商品性としてのキャラとして取り上げているに過ぎず、キャラ好きな私の深層心理を深く解説してくれるところまでは至っていない。
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