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キメラ―満洲国の肖像 (中公新書)
 
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キメラ―満洲国の肖像 (中公新書) [新書]

山室 信一
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1932年3月、中国東北地方に忽然と出現し、わずか13年5カ月後に姿を消した国家、満洲国。今日なおその影を色濃く残す満洲国とは何だったのか。在満蒙各民族の楽土を目指すユートピアか、国民なき兵営国家なのか。本書は、満洲国の肖像をギリシア神話の怪獣キメラに譬えることによって、建国の背景、国家理念、統治機構の特色を明らかにし、そこに凝縮して現われた近代日本の国家観、民族観、そしてアジア観を問い直す試みである。

登録情報

  • 新書: 330ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1993/07)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4121011384
  • ISBN-13: 978-4121011381
  • 発売日: 1993/07
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 638,579位 (本のベストセラーを見る)
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By 簿記受験生 殿堂入りレビュアー
形式:新書
著者自身は満洲国に否定的な考えだからキメラという怪獣に擬したのであるが、一応満洲国を肯定する立場の声も登場させている。最終判断は読者に任せる態度。石原莞爾は満州の既得権益と中国の独立運動の対立の超克のため、この地域が元々満州族の土地である着目し、中国本土と切り離し、朝鮮と同じく併合し日本領にせんとするが諸矛盾が生じ、まず傀儡国家としてこれを獲得した。結局ソ連軍に包囲される長大な対峙線を形作り、中国との対立は更に先鋭化し、軍事上の負担がさらに増えただけだった。清朝最後の皇帝を担ぎ出した件、中華民国の憲法たる『約法』を拝借して『憲法』をでっち上げた件、岸信介が Look Soviet でソ連式の五ヶ年計画の経済政策を実行した件、天照大神を勧請してまで『皇帝』としての自分の立場を主張する溥儀と関東軍の諍いの件など、とにかく満洲国の詳細な知識を得たい方には、肯定派にも否定派にも有益な話題豊富な一冊である。
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形式:新書
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By 匿名
形式:新書
 満州国を怪物キメラに見立てて、その異様な怪物(満州国)の生涯を詳細かつ客観的に記した名著である。一般に知られている満州事変から建国に至る経緯においても、その裏側でうごめく様々な人間模様(関東軍、溥儀はじめ旧清朝の廷臣ら、満州青年連盟、群雄割拠を嫌う現地中国人等)が詳細に述べられており、満州国と一口に言っても、その13年間にあらゆる幻影が錯綜していたことが良く分かった。
 そして生みの親とも言うべき石原莞爾の手から離れ、ますます怪物化していくキメラは、建国の理念であった「王道楽土」「五族協和」を忘れ、日本人自身も訝しむほどの、日本人の驕りと高慢な態度がキメラを蝕んでいった。日本人と一緒に夢を見た中国人や朝鮮人に対する裏切りであり、これはまさしく満州の悲劇と呼べるだろう。
 また作者は、そんな満州の影を詳細に述べながらも、その高邁な理念は、当時帝国主義がはびこっていた世界情勢において新鮮であり、被征服民族の希望となっていた点についても評価しており、一辺倒な書き方でない点が、我々に客観的な視点を維持させてくれている。
 満州の興亡について知りたい方にはお勧めの書である。
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