2030年ころの環境制約条件を予想し、その頃の予想されるデータをから、資源等の制約条件下の中で
どのようにしてライフスタイルを送っていけば、心豊かに暮らししていけるかという非常に興味深いテーマの本である。現在はフォアキャスティングで未来を予想しているがバックキャスティングという手法を用いて未来のライフスタイルも提案をしている。東北大大学院環境科学研究科石田秀輝教授、同大学院准教授古川柳蔵氏、電通グランドデザイン・ラボラトリーと大学、企業が非常に具体的で面白い。この種の本は非常に読んだあと悲観的になりがちだが希望を持つことも出来るというのが大きな特徴である。
何故、2030年なのかはこのままのペースで私達が物質消費の生活をしていくと、2030年前後に生物多様性、石油などの資源も限界が来るだろうと予想をしている。石田氏によると世界の人達が日本人のように生活をしていくには地球約1,4個分、アメリカ人のように生活をしていくには2,5個分必要と指摘をしている。
第1章ではライフスタイルに責任を持つ新しい時代(石田氏)
現在はエコ商品が沢山投入されているのに、何故CO2は減らないのか
減るどころか逆にCO2が増えている(エコジレンマ)の問題。そしてこれからのライフスタイルの形と企業の役割などが書かれている。
第2章ではライフスタイル・デザインという思考法(古川氏)
我々が生き延びるためには、早急に地球一個分の暮らしに近づかなければならないということで、バックキャスティングの方法で未来の暮らしについて述べている。バックキャスティングの考え方を具体的に丁寧に書いてある。その考え方は読んで理解することをお勧めする。
3章、5章は電通が企業の立場から、4章は古川氏と電通とで「バックキャスティングでみた2030年の新しい暮らしの可能性を」提案をしている。
現在は消費社会である。モノを買うことで満足をし、そしていずれは捨てる。つまり環境をこれ以上悪くしないための方法は、例えば車はなるべく使わない、ゴミを出さないなど、ある意味消費に対して我慢をする生活を強いられる
これらは、現在の消費社会から脱却しない限りヒトの心も社会も何も変わらない。我慢をするのではなく、消費欲から精神欲への転換である。
この本は楽しく環境制約条件下の中でワクワクして精神欲を満足させるか、是非環境に関心にある人は勿論、これから未来を担う学生の方に是非お勧めをしたい本である。