キノコと言う幅広い枠でのエッセイはあっても、
種毎に記したエッセイというのは珍しいと思います、
筆者はいわゆる学者先生ではなく、
好事家を通り越して専門家に至った在野の学者といえる人です。
研究室での話ではなく、自ら山野を駆けめぐり、
出会ったり取ったりした様々なキノコについて、
それぞれの種毎に食味や探し出す苦労話のみならず、
貴重な毒性の症例も語られており、
専門書でないが故にわかりやすく触れやすい文章で書いてあるので、
初心者や少々の経験のある人にも楽しめるキノコの読み物に仕上がっています。
しかしながら、文中に散見する「ゲリベン」や「ゲロ」と言う単語には眉をひそめざるを得ないし、
その辺に少々クドイ描写がある点には不快感を覚えました、
曲がりなりにも食べるという側面で触れることが多いキノコでこの描写は如何な物かと思います、
筆者はどうもこの手の単語で喜ぶ幼児性もあるようで、
この点さえなければ万人に勧められる良書なのですが…残念です。