主人公のテルが家に帰る途中、切符をなくしてしまう。母親から「キップを落としちゃだめですよ」「なくしたら、もう駅から出られなくなるんだからね」と言われていた彼は途方に暮れる。そんな彼に「キップ、なくしたんだろ?」と少年が声をかけ、駅の小部屋に引き入れられる。駅の階段下のその部屋には20人近くの「切符をなくした」子供達が住んでいた。今日からここがぼくのうちだ・・
これは黒井千次氏の昭和50年発表の短編「子供のいる駅」のあらすじである。こちらの池澤氏の「キップを・・」を読んで、てっきり同じ作者があの小説の続きを書いたのだと思ってしまった。「子供のいる駅」は「鉄路に咲く物語」 日本ペンクラブ発行で読むことができる。読み比べてみることをお勧めする。