後に国務長官として中国との融和を実現したキッシンジャーの博士論文をもとにした本。
長年絶版状態であったが、今年めでたく復刊された。
内容は19世紀ヨーロッパ外交の分析であり、当時の「会議外交」がどのようなものであったか、ということを正確に描いている。
しかし、その意味で現代外交の研究書というよりも、ヨーロッパ外交史の研究書であるといえる。
また同時に、この本は「キッシンジャー研究」という意味も持っている。
キッシンジャーは冷戦期においてもヨーロッパのかつての「外交官外交」に強い憧れをもっていたが、その原点がここにある。
国際関係専攻は必読というほどのものではないが、国際関係史をやる人間であれば、高阪正堯の「古典外交の成熟と崩壊」と並べて読んでみてはいかが。