女性にモテず、パッとしないマンガオタクの少年がヒーローに憧れて
通販で買ったタイツに身を包み、
にわかヒーロー「キック・アス」として活動する話。
悪を退治すると意気込むキック・アスだが、
中身は特別な能力もなくヘナチョコで妄想ばかりの頼りない少年だ。
それでも悪事に対して傍観する姿勢が許せない気持ちは本物で
気持ちばかり先行して空回りしている様子が面白い。
序盤を観る限りではそういったノリのコメディタッチなバカ映画に思えるが、
唐突に挿入される別の親子の存在によって話の方向性が大きく変わっていく。
それが11歳の少女「ヒット・ガール」と
その父「ビッグ・ダディ」という、まさに本物のヒーローたちだ。
戦う能力としては素人のキック・アスだが、
正義に燃える気持ちを買われ、徐々に2人との関係が深まっていく。
ところどころに笑いのシーンを挟みつつも、
ヒーローが現実に活動するならまさにこういう裏側になるだろうという
妙なリアルさが常に感じられるのが素晴らしい。
そして何より最高なのが、妥協しない暴力シーンと
あまりにカッコいいアクションの連続だ。
キック・アスの素人丸出しの必死の行動も楽しいが、
完璧に訓練されたビッグ・ダディとヒット・ガールの動きは
ここ近年のアクション映画の中でも飛び抜けてカッコいい。
特にヒット・ガールは見た目はまさに小学生といった感じなのに
キレのある銃さばきや情け容赦ないヘッドショット、
壁を駆け上がりつつ近距離で仕留める俊敏さにホレボレする。
クライマックスで廊下を走り抜けつつ敵を一掃するシーンは
まさに最高のインパクト。めちゃくちゃにカッコいい。
リアルなヒーロー像の表現と、きっちり魅せてくれるアクション、
凶暴な敵たちと全力でぶつかる展開など、非常に熱くなる作品。
「マトリックス」「リベリオン」「ウォンテッド」「ウォッチメン」のうち、
どれかひとつでも好きならまず気に入るはず。