最終巻です。コミックス派なので「完結」という帯にびっくりしました。
オリンピック代表を掛け、GPシリーズに参戦したみちる達。
礼音はようやく落ち着いてきたみちるを優しく支える事に専念していたが、
悪意ある報道の影響で、みちると距離を置かざるを得ない状況に。
みちるもまた、大好きな礼音を受け入れられない自分に苦しんでいた…。
トラウマを描くのが巧いというか、トラウマを知る作者だと思います。
前作『きみはペット』の主要人物もほぼ全員、心に傷を負っていましたし。
こういうテーマを描くと必ず、その痛みを知らない人、他人の痛みに無関心な人から
「被害妄想」「知りたくも興味もない事」とか非難されると思う。
それでも敢えて、同じ傷に苦しむ人たちのために描く。
その姿勢は前巻、みちるが記者会見で述べた言葉の通りだと思います。
大技を使うかどうかの迷い、はっきり描かれない結末…という点では、
同じアイスダンス漫画『白のファルーカ』(槇村さとる著)を思い出しました。
似てるからダメと言いたいのではなく、素晴らしい締め方だと思うので。好みだけど。
そういえば槇村氏もエッセイやTVインタビューでトラウマを告白してましたね。
同じ立場の人を、また違う立場の人を思って何かをする。作品を創る。
その過程や結果に出てくる「共感」って、凄い事だと思います。
表紙の折り返しに「番外編でもう一冊出して頂く予定です」とありました。
結婚式を見られそうなカップルが複数いるので、楽しみにしています。