選手たちをどのように指導していくか?フィギュアスケートのコーチといえば、フェンスサイドやキス&クライに座っているくらいで、実際はどのような指導をしているのかかなかなか見えてこないので、具体例を挙げて書かれたこの本はとても興味深かったです。
まだ現役のアイスダンサーとして活躍してもおかしくない年齢で、若くしてコリオグラファー、コーチとしての道を選び、タチアナ・タラソワコーチのアシスタントを経て独り立ちした彼の前半生も語られていて、貴重な一冊だと思います。
しかしながら、モロゾフコーチは日本のスケートファンは、海外の記事は読んでいないだろうと思ってこの本を書かれたのでしょうか?ロシアやアメリカの記事で彼が語っていることとは矛盾した内容、明らかに事実とは相違する部分もあって、すべての内容に信頼が置けるとは思えません。特に高橋大輔選手との別離の経緯についてはアメリカのフィギュアスケート雑誌International Figure Skatingの2008年7月号でモロゾフコーチ自身が語った内容と全く違うことが書かれていて、どの事実が本当なのかわからなくなりました。
荒川選手や高橋選手のエッセイと照らし合わせてみると、生徒側が彼をどう見ていたのかもわかって良いのではないかと思います。
レビューで「話半分に聞いておく」と書かれている方に同感です。書かれている事実すべてを鵜呑みにするのではなく、あくまでモロゾフ側から見た話として読むべき本だと思います。