死体嗜好症、と聞くとおどろおどろしいホラー・スプラッター映画?
と思ってしまうかもしれませんが、ぜ~んぜん怖くないですし、
血が吹き出るようなシーンもありません。どちらかというとまったり
した雰囲気でお話は進んでいきます。
誰にでもある「こだわり」もしくは「フェティシズム」が、たまたま
主人公の女性が「死体嗜好」であるというだけです。
もちろんそれは一般社会では認められず、主人公もそれを知って
います。この類いの自分の「こだわり」を無理に押し通すと反社会的
行動になりかねないのですが、この主人公はそうならないように仕事
として死体に接することができる立場にいるためうまく社会に溶け込
んでいると言えるでしょう。
しかし、彼女を愛す生身の恋人が出現してからはそんな彼女や彼の葛藤が
中心となり、話は思わぬ方向に進んでいきます。
人の嗜好というのは自分でもどうしてそんなに強い感情が引き出され
るのか理解できなかったり、例え原因がわかったとしても止められな
いということはよくあります。この映画も特殊な人として主人公を
描くのではなく、ごく普通の女性の人生の一面という形で描いています。
派手なハリウッドスタイルの映画ではありませんが、ゆっくりと
自分自身や身近な愛する人たちのことを考えるきっかけになる良作
です。