正直期待はしていませんでした。
同人誌を扱った小説なのですが、マンガでは「げんしけん」や「ドージンワーク」などが人気があるので、それの便乗作品だと思っていました。
でも、読んでビックリ。上記2作品とは明らかに違う。
どちらかというと「ドージンワーク」のノリに近いかも知れないが、小説だけあってストーリーになっているし、
何より主人公のお嬢様駆け出し天然同人作家とその執事、王子様のような美形カリスマ男性向け大手作家(性格は軽い)と、
無口で無愛想なようでいて実はシャイ(?)で少々世間知らず的なプロ作家、威丈高で女王様な女性向け最大手、
というキャラがそれぞれ立っていて、とても楽しく読めました。
ストーリーとしては、初めて参加した同人誌即売会でトラブルに巻き込まれた主人公の女の子が、イイ男(カリスマ大手)たちに助けられ、
ストーカーもどき(というか完全ストーカー……)の妨害に合いつつも、彼らと親交を深め、
いつの間にかアシスタントをすることになり……という感じです。
男2人のうち一人とイイ感じになりそうな展開ですが、ことごとく執事がつきまとう。この執事が最高です。
BL作品ではありませんが、美味しいシーンなども何カ所かあります。
主人公が初めての即売会に参加してオタオタする様子は、経験のある方には苦笑ものだと思いますが、
オフセット本を作るお金がないからと(お嬢様なのに……)160ページのコピー本を畳用のホチキスで留める天然さには
呆れを通り越して可愛いです。みかん箱の上で原稿を描いているのも可愛い……。
しかもストレス発散方法ががむしゃらに原稿を描く事というから、不思議ちゃんです。
ありえねー!という展開の連続ですが、そこはご愛嬌、というか、そこがこの本の醍醐味かも。
とても面白くて一気に読めてしまいましたが、星4つにしたのは最後の最後で勢いが失速してしまったためです。
でも、どうやらまだ続刊があるらしいので今から楽しみな作品です。
ちなみに巻末には同人用語集と、イラストの由良先生の4コマ漫画と、イラストつきコメントが掲載されています。