まず、感想から。
とてもよかったです。電撃文庫の時から、読んできたのですが、この著者はハズレがありません。ただ優しいだけではない人間関係が、感動を誘います。苦しくて、辛い物語なのですが、「高校生」独特の「許されている」感じがあり、ただ痛いだけの話で終わらず、その先の救いを予感させます。……何とも抽象的な感想になってしまってすいません。
この話の中で、彼女たちが救われることはありません。しかし、この先に救いがあるのでは?と予感させる結末になっています。成長には、痛みがともなうことを知った彼女たちは、きっとこれからも成長し続けるでしょう。
ながながと感想をかいてしまいましたが、この小説は、著者の今までの小説と同じく、賛否両論でしょう。著者の特徴(?)である、稚拙な短い文体が、彼女たちの「痛み」をただの「我が儘」に見せてしまっていると、いえなくもないです。
ただ、今作は著者の始めての現代小説です。「現代」といっても、今から十数年前の、携帯電話が普及し始めたぐらいの話です。二つの意味で懐かしさも感じられます(今までの著者の作品にはないものです)。自分の時を重ねながら読んでみてはいかがでしょうか?