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ガンジーの危険な平和憲法案 (集英社新書 505A)
 
 

ガンジーの危険な平和憲法案 (集英社新書 505A) [新書]

C.ダグラス・ラミス
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

知られざるガンジー
資本主義と国家への挑戦状
9条とはまったく異質な平和思想の全貌とは? その膨大な講話の中から、憲法にかかわる部分をまとめた『自由インドのためのガンジー的憲法案』が、六〇年前のインドで刊行されていた。しかし、建国の父とまで謳われた聖人の憲法案は、今日に至るまで黙殺されたままである。それは一体なぜなのか? その謎を解く鍵は、産業資本主義の生産方式とライフスタイル、および国民国家の存立根拠とは相容れない幻の憲法案を、もう一度精査することにある。日本国憲法第9条とはまったく異質なその戦争放棄思想は、金融資本主義が壊滅しつつある現在、異様なリアリティをもって我々に迫ってくる!

内容(「BOOK」データベースより)

その膨大な講話の中から、憲法にかかわる部分をまとめた『自由インドのためのガンジー的憲法案』が、六〇年前のインドで刊行されていた。しかし、建国の父とまで謳われた聖人の憲法案は、今日に至るまで黙殺されたままである。それは一体なぜなのか?その謎を解く鍵は、産業資本主義の生産方式とライフスタイル、および国民国家の存立根拠とは相容れない幻の憲法案を、もう一度精査することにある。日本国憲法第9条とはまったく異質なその戦争放棄思想は、金融資本主義が壊滅しつつある現在、異様なリアリティをもって我々に迫ってくる。

登録情報

  • 新書: 190ページ
  • 出版社: 集英社 (2009/8/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087205053
  • ISBN-13: 978-4087205053
  • 発売日: 2009/8/18
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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確かに危険 2010/3/22
By hyuma
形式:新書
沖縄在住でリベラリストであるダグラス・ラミスの著作で、非暴力活動実践で独立を指導し、勝ち得たガンジーがその後実は政治的には独立後政治的には抹殺されていたことを彼が語った憲法的な言論をまとめ、ガンジーが考えていた憲法を紐解いたものである。国家とは暴力そのものであることをベースにしたリアリスト、ガンジーのアプローチは理想主義というにはあまりにもラディカルで、確かに「危険」である。グローバル主義と言うなのあらたなイデオロギーがまたぞろ生き返る中で、その対極にある彼の考えは今こそ貴重だ。
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形式:新書
 タイトルにまず、ぎょっとする。「危険な」とは、確かに本当の意味で、ガンジーが考えていた「極端な」非暴力が遂行されたら、国としての在り方が根本から揺さぶられてしまう。また国民をも不安にさせる要素がある。そういう意味では国家にとっては非常に危険なものになりうる考えなのだ。目の付けどころが面白く、本書は学術論文を基に分かりやすく書きなおしているものなので、論の展開がドキドキするくらい巧い。論はまだその先に専門的なことがあったのではないかと思われる書き方で、補論が用意されている。

 補論では、ガンジーの非暴力、『ヒンド・スワラージ』、「逆さま国家」の考えを今の日本に応用した場合が提案される。だが、このガンジーの非暴力は、我々が普段、地域や職場などで日常行っている、人々が紛争やケンカを避けるやり方で、よく知っているものなのだという。また、我々の市民社会自体が非暴力と考えられる。このことから、佐藤優がよくその著書で語る、本来、国家とは暴力的なものであるという定義を思い出す。

 ガンジーの標榜した非暴力をインド全体で貫いたのなら、独立後に出来上がった憲法も非暴力のはずだ。しかし、出来上がったものは「国家の正当な暴力を独占する」ものだった。彼らは「ガンジーの根本原理を捨て」たのか?ガンジーの思想と憲法の中身にある隔たりは、国家が国民主体なのか、それとも国家が主体かという問いにも行き着く。そうして国民を「説得しきれなかった」ガンジーは自らの死を予感し(もしくは願った通り)、棘の道を進み続け、暗殺されてしまう・・・。
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形式:新書|Amazonが確認した購入
同著は、1936年、米国サンフランシスコ生まれの政治学者で、元津田塾大学教授であるC.ダグラス.ラミスによって編まれたものである。従って、米国憲法、日本国憲法との比較法的思考によってもガンジーが起こした憲法案を丁寧にその思想にまでさかのぼり考察されている。表題にある「危険な」と「平和憲法案」は、危険=平和憲法と結びつけるべきものなのか、平和憲法は危険な側面を有しているのか、危険でない憲法は平和希求するものでないのかを全体を通して読者に問いかけている。法は自然状態を補うものとして発展したきたのは、確かで、古来より紛争を調停するあるいは紛争を予防する手立て、社会規範としてその存在意義をもっている。まず、前半に、「国家は軍隊を持つものだ」という常識に対し、インド国民会議が軍隊のある国家を選んだことに不思議はなく、不思議なことは、非暴力の原理を捨てる、ということは、国の創立者とされているガンジーの根本原理を捨てる、ということを意味するのだが、その明白な事実を認めない人達が多くいるとうことだとしている。現在のインドは、ガンジーの銅像ばかりでなくルピーという単位の貨幣にもガンジーの顔が描かれているのである。本文を進めるに従い、軍隊もガンジーも否定しない現在のインド政府状態が次第に明らかにされていく。18世紀イギリスの植民地支配に抵抗し、そこから独立を図ったアメリカは、イギリス政府や社会には「法の支配」は存在せず、それを確実にするために権力を明確に規定する憲法が必要であるという考え方を生み、たとえばロックに習いながらも、その思想をさらに厳格化し、明文の憲法による権利保障や権力分立の確定こそが人間社会に対する法の支配の表現であるとうことを主張した。一方で、この考え方は法治主義であり、法が主権者の意志や判断によって左右される余地を残すため、法の支配には主権者を超えた法があり、それが各個人の権利を擁護しまた自由を保障するものとしている。これに対しガンジーは、「自立している村の共同体」を出発点とした。村社会には、慣習的にあるいは道徳的に非暴力であり、問題が生じたとしてもその村社会で話し合われて解決され、殺し合いにはならないだろうとしている。であるからそれを拡張していくことは非暴力的な国家を生みだし得るとした。その上で、イギリス憲法の本質を良く理解し、イギリス憲法はイギリス人が戦って勝ち取った権利と自由が制度化されたものであるから、このような歴史の上に立っている(不文法)憲法である以上、これから権利を要求するときには戦わなければならないとする。そして、請願活動をしても政府の命令が改善されなければ、それに屈従的に従うことはイギリス憲法の精神ではなく、冷静に考究した結果が不正や抑圧的だと思われる命令に背くことは、国民の生来の生得権であり、義務でもあるとしている。アメリカとインドはいずれもイギリス植民地から独立したのであるが、その歴史的背景や思想的背景からの文化的比較を可能とするのである。しかし、先に見たように憲法は今や独立国家の常識である。そしてまたその常識に立って「国家は軍隊を持つものだ」という常識をこの独立国家の憲法に当てはめるとき、インドはガンジーの思想の非暴力的な平和主義を、憲法の上位におくメタの不文法的な位置づけにしていることがここではじめて理解されることとなる。このことは、平和憲法を基調とする成文憲法である日本国憲法との比較においてのみならず、法とは何か、憲法の意義は何か、を問う上で一つの明示的な示唆を与えているといえる。
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