ガングリオンとは良性腫瘍の事で、手首等に出来ると可動の邪魔になるの除去する必要が有りますが、それ以外は観た目を気にしなければ放置しておいても実害は無いとの事。
そこで外観は厳めしく常に世界征服を謳っては作戦を繰り広げるものの、必ず正義のヒーロー「ホープマン」に倒されてしまう悪の株式会社に「ガングリオン」と命名したのは成程、と思わせます。
同じく冴えない悪の組織を主人公としながら、どこか大学のサークルや若者のバイト乗りである「サンレッド」と比較すると本作は主役の磯辺が中年の家族持ちの中間管理職(戦闘員集団ベルべのキャプテン)で、上司のシャドー大佐(課長相当)はこすからく、バンプ将軍の1/10も人望が有りません。
一層人生のシガラミが出ていてサラリーマンとして読んでいて身につまされる事が多いです。
更に、特殊法人である正義の『日本平和開発機構』とガングリオンの上層部とでは厳密に襲撃・迎撃のマニュアルが決まって居り、それを破ると各上層部から正式に抗議が出ると言う談合体質です。
シュールなギャグ漫画だと読んで笑って居る内になんだ、これは自分達の会社と一緒ではないか、と己の生活の不条理さにもふと気付くほろ苦い作品です。
余談ですが今作に登場する怪人中最も複雑でギーガー風の意匠を持つガングリオン総統を観た時には漫画担当いつきたかしさんの描き込みが凄かった初単行本「ラ・プペ」をふと思い出しました。
短命に終わった漫画雑誌「コミック・ヨシモト」内では最も印象に残った作品でした。
描き下ろし最終話『反逆の新人 大曽我部』を含む全8話収録です。