本書はガン患者に対し、如何に慌てず、悲観し過ぎを戒め、自分の病状を正確に把握し、治療法を冷静に広く把握すること、その為に多くの情報を求めること、最後は自分の免疫システムを高めることを教えてくれる。私は前立腺ガンの書を治療の事前に数多く読んだが、特に藤野邦夫氏訳の「前立腺ガン これだけ知れば怖くない」、「前立腺ガン これで全快!」が非常に参考になった。本書は各部位のガンについて、何をすべきか、診断、治療、化学療法、免疫療法等々について解説する。特に免疫療法は帯津良一先生のホリスティック医学の自然治癒力にも通じ、併せて読むと良いと思う。ガンの宣告を受けても時間の余裕はある。大切なことはガンが発見された時にどうするか、立ち向かい最善の解決方法に如何に辿りつくかだ。ガンを診断した医師の良否見極めが決定的に重要である。留意すべきは、患者自ら情報収集すること、患者のQOLを尊重する医師に出会うこと、すぐに手術・切除摘出を勧め、新治療法を知らない医師は避けること、放射線治療専門医が病院にいるか否かであろう。患者が情報や知識もなく「先生に全てはお任せします」や、医師の提案する治療法をその場で承諾するのは禁物だ。最初に選ぶ治療法が、その後の治療の全てを決定する。特に「前立腺ガン」の治療領域は基本的に手術、放射線、化学療法であり、放射線もX線、γ線、陽子線、重粒子線、定位放射線療法、密封小線源療法、超音波のHIFU、凍結療法、その他多くの選択が出来る。自身のPSA値、針生検の当たり本数、悪性度(グリーソン・スコア)、前立腺体積、TNM分類、侵潤・骨転移(骨シンチ結果)の有無等々を鑑みて、希望治療(長所・短所把握)、病院(どの治療法ができるか)、医師(知識・経験・熟練度)を「患者自身で考えて」みる。まず本書で全体像を理解してから、それぞれのガンの解説書を読むのがいいと思う。