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ガルシア=マルケスに葬られた女
 
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ガルシア=マルケスに葬られた女 [単行本]

藤原 章生
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

第3回開高健賞受賞作家、受賞後第一作。
『予告された殺人の記録』のモデル、マルガリータは、処女でなかったとの理由で実家に返され、実兄は彼女の昔の恋人を殺害した。著者はコロンビア取材を敢行し、彼女を巡る様々な謎に迫る。

内容(「BOOK」データベースより)

ガルシア=マルケスの弟ハイメは語った。「一人の男が少女と関係して、それで約束を果たさなかったら、それは一つの家族を蹂躙したことになるんだ。まして、村一番の有望株で、医者の卵が、貧しい家の娘をもてあそんだってことになれば、それはどう見たって、その家族を侮ることだから、相手を殺しても当然という考え方が、あの時代(50年前のコロンビア)にはあった」。『予告された殺人の記録』のモデルにされたマルガリータの本当の恋人は誰だったのか…彼女はなぜ、実兄が彼を殺すのを止めなかったのか…南米コロンビアを舞台にその謎を追う。開高健ノンフィクション賞受賞第一作、渾身の書き下ろし。

登録情報

  • 単行本: 248ページ
  • 出版社: 集英社 (2007/1/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087813584
  • ISBN-13: 978-4087813586
  • 発売日: 2007/1/26
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 491,829位 (本のベストセラーを見る)
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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ガルシア=マルケスの『予告された殺人の記録』の

モデルとなった女性のその後を取材したノンフィクション。

小説家が事実を題材としたとき、どこまでその当事者たちの魂に近づけるのか。

本書は、そこに焦点があてられている。

ガルシア=マルケスは取材拒否、女性の取材もできなかったが、

親族や女性を最後まで支えた牧師など周辺の言葉を拾い上げ、

推測とはいえ、女性が抱え続けた苦悩を明らかにしているのは見事。

開高健賞作『絵はがきの少年』に続き、文章もとても読みやすい。

新聞記者として、多くの人に読まれる文を書いてきたからだろうか。

ただ、読みやすいだけに、あっという間に読み終えてしまう。

それがどこか物足りない。

もう一押し、小説家のどろどろした感情、ずるさのようなものに

踏み込んでほしかった気はする。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:単行本
 ガブリエル・ガルシア=マルケスの「予告された殺人の記録」が、実話に基づいていることは良く知られていますが、結婚初夜に処女ではないという理由で実家に帰されたアンヘラ・ビカリオの真の破瓜の相手は誰なのか、といった謎には明快な解が与えられていません。本書「ガルシア=マルケスに葬られた女」は、毎日新聞記者である著者がコロンビアを訪ね、アンヘラ・ビカリオのモデルとなった女性マルガリータを追って綴ったルポルタージュです。

 マルガリータは、著者の取材には応じないまま他界してしまいます。またガルシア=マルケス自身もこの件についての取材は拒み続けます。著者は双方の知人や家族を丹念に訪ね歩いた末に、本書をマルガリータに宛てた書簡というスタイルをとって一冊に仕上げています。

 取材の末にも、マルガリータの相手が誰なのかは結局のところ「藪の中」のままです。可能性のある男の名がいくつか挙がりはしますが、マルガリータ当人も既に逝ってしまった今となってはその謎は永遠に解かれることはありません。

 しかし本書の眼目はそうした謎解きにはないのです。取材を通じて明らかになるのは、そして取材を通して著者自身が気づかされるのは、男が女に夢のように抱く「処女性」という一方的な願望です。それはラテン世界特有のマチズモの特徴として捉えればよいものではなく、世界中の未熟な男たちの願いとして、大なり小なり未来永劫続きかねない代物であることが浮かび上がってきます。

 本書を読むとそうした男の願望がガルシア=マルケスの作品世界の裏側にすかし見えるような気がしてきますし、事実彼の一番新しい作品「わが悲しき娼婦たちの思い出」にはそうした要素が色濃く感じられます。本書の著者・藤原氏は、そして現地コロンビアの文壇はこのガルシア=マルケス作品にはかなり手厳しい様子ですが、あの作品を大いに楽しんだ私としては少々ばつの悪い思いを感じました。
このレビューは参考になりましたか?
15 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Tochitli トップ500レビュアー
形式:単行本
力作だとは思う。努力は認める。
しかし、一体作者はこの本で何を言いたかったのだろうか?
処女性にこだわる男のおろかさ?報道被害にあった女性の哀れさ?
一方的に小説のモデルにされた女性に思い入れが強いようである。
そしてモデルとされた女性マルガリータの人生が台無しになったと作者を責めるが、この小説が書かれたのは事件から30年先の事である。
処女性にこだわるばかばかしさを述べているが、彼女は少なくともその土地におけるタブーを犯してしまったのである。
ガルシア=マルケスが描きたかったのは、よそ者であるカエタノがスケープゴートのように誰もが知っていながら殺されたという共同体ーComunidad-の不条理さである。
作者は「気の毒なマルガリータ、可愛そうなマルガリータ」像にこだわるあまり、彼女の過ちー結婚前に処女を失った。又それを隠して結婚したー事について何も述べていない。

この事件の本当の被害者は殺されたカタエノではないのだろうか。彼は死によって永遠に真実を語ることができない。
マルガリータを追い返した夫のモデル、ミゲル氏は一昨年ガルシア・マルケスを訴え今も裁判が続いている。死へと旅立ったマルガリータの代わりに、ミゲル氏に対して話を聞くべきであった。

マルガリータの死を見取った人物のインタビューも行っていないし、当時の裁判記録にも触れていない。
また結局事件の真相、何故カタエノが殺されたのか。には全くたどり着いていない。客観的な事実はこの本の中にはない。すべてマルガリータをめぐる周囲の人の噂話、各自の思い入れにとどまり題材を上手く生かしきれていない。
ガルシア=マルケスが好きな方だったら一度は読んでおくべき本ではある。しかしもう片方のautor(作者のこの言葉の使い方にも疑問は残る)ガルシア=マルケスの肩を持つ私には、消化不良であった。
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