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ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)
 
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ガリヴァー旅行記 (岩波文庫) [文庫]

スウィフト , Jonathan Swift , 平井 正穂
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

諷刺の枠を突き破り,人間そのものに対する戦慄すべき呪咀へ-子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたに違いない.だが,おとなの目で原作を読むとき,そこにはおのずと別の世界が現出する. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない。だが、おとなの目で原作を読むとき、そこにはおのずと別の世界が現出する。他をえぐり自らをえぐるスウィフト(1667‐1745)の筆鋒はほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。

登録情報

  • 文庫: 461ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1980/10/16)
  • ISBN-10: 4003220935
  • ISBN-13: 978-4003220931
  • 発売日: 1980/10/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
スウイフトが書いたとは知りませんでした。この本は、ピーター・ミルワードの「童話の国イギリス」で子供向けと原書の違いについて指摘されていたので読みました。

 コビトの国や、巨人の国の話以外に空中国と猿の惑星ではなく「馬の惑星」風の国とバラエティに富んでいて楽しめます。コビトの国や巨人の国での話には、子供向けと異なり風刺がふんだんに折りこめられています。

 また、馬の国は理想郷のように書かれておりこの国の話も一読の価値があります。でも最後は皮肉が過ぎて、スウイフト自身の人間嫌いが如実に出ています。

このレビューは参考になりましたか?
25 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
子供が接する場合と大人が接する場合との間のギャップが語られる代表的な作品である。

極端に空想的な国々を歴訪することで、人間や国家(特にイギリス的な)が相対化されて描かれる。小人の国。巨人の国。空中の国。馬の国。。しかもその手法は徹底的である。いずれの国においても主人公は常に絶対的少数者として存在し(なにしろ常に一人での訪問であるから)、相対化された人間や人間社会の特性はそのまま特異性としてあぶりだされる。いずれの国でも主人公は孤独な異端者なのである。

善悪の価値観であったり、法律などの制度であったり、人間の徳であったり、それぞれの国によりあぶりだされる人間(や人間社会)の特異性はさまざまなのであるが、実はいずれの国においても一貫して見られる点がある。それは主人公を対等の存在として扱おうという姿勢の存在、もっと言えばそうしようとする人物(?)の存在である。いずれの国でも主人公は、主人公の国の文化や制度や人間性を熱心に聴きだし知恵を拝借しようという主人に寵愛される。

この作品により人間に対して言外に突きつけられているのは、実はこの「他者に対する姿勢」、「他者を扱う姿勢」なのではないかと私には思われた。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
僕の好きな小説家にジム・トンプスンという人がいて、
その人はアメリカの田舎で人がむなしくいがみ合いながら
ひたすら殺し合いをして全滅するような話をぽんぽん書く人なのですが、
その人がスウィフトのこの小説をやたら強く推していて、それじゃあ読んでみよう、
と思って手に取りました。
もともとこのガリヴァー旅行記については漠然としたイメージ、
小学生のときの図書室にいつも置いてあった本、絵本で読んだことのある本、
そしてそんなにめちゃくちゃおもしろいわけでもない、よくある名作童話的な
他愛ないおとぎ話の1つというイメージしか持っていませんでしたが、
いざページをめくりだすと、自分の中でどんどんそういうイメージが革新されていきました。

なんといっても、とにかくおぞましい。
ガリヴァーの最初に向かう小人の国、
自分の体の12分の1の大きさの小人の群れる社会、
この風刺は比較的わかりやすく、
「ああ、こういうの知ってる。」という程度のダメージで済みましたが、
そこから巨人の国、空中都市、科学都市、幽霊を召喚する族長の島、
不死の人間のいる島などと旅行を続けていくたびに、どんどんその風刺ももはや風刺というよりは、
人間の性質をできるだけ最悪の表現で適切に述べ立てていけばどうなるか、
ということの集積のようになってきて、
そこでもうどうにでもなれと思っているところに、最後にやってくるのは、家畜・・・。

この岩波文庫の解説では、
訳者さんがあまりスウィフトの人格を快く思っていないらしく、
(あるいはちゃんと理解できていないらしく)
なんだかテキトーに流して書いている雰囲気でがっかりしましたが、
とにかく一度しっかり読んでみれば、
そんな"鋭い諷刺"だなんて言葉で片付けることのできる作品ではないことがわかるかと思います。
まるでものすごく先のとがったスプーンで心臓を穿り返されているような、
そういう得体の知れないものすごさ、凄惨なものを感じます。
特に最後のガリヴァーの、旅行記という性質上、話のオチにもなっていない、
でも人間としては完全に終わっているとしかいいようのない着地点はあまりにもおぞましく、
そして同時にどうしようもなく正しいところでもあるような気がして、
なんともやりきれない気持ちになってしまいます。ガリヴァーの旅が進めば進むほど、
こちらの心にもドカドカとスウィフトの(岩波文庫の表紙の文章から引用すると)呪詛が
加虐的な文章の形で踏み込んできて、徹底的に踏み荒らしたあとまたドカドカと歩き去っていきます。
もうどうすることもできないくらい異様な本です。

"コワい"本を読んでみたい方はぜひ一読を!
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