定期的にソフト化有無を調べては一憂の筆頭にあった作品がやっと、という気持ち。
確か14,5年前に一度深夜映画で民放放送されたが、以後は再見の機会に恵まれず。
わたしは後発で知った世代なので当時の狂騒は古本のパンフを見て窺うだけだが
公開時のレイモンド・ラブロックの人気は今の韓流スター級だったそう。
どこかにビデオテープを残しているが、このストーリーが一般的な三角関係とはちょっと違い
ひとりの少女を青年2人が愛するといった単純なものではなかった、という記憶があるが
ちょっとうろおぼえ。ラブロック演ずる孤独な富裕層の青年が、確かカップルの青年を慕っていたように思った。
今で言うBLとはまたちょっと違うが、萩尾望都のトーマの心臓なんかが好きなひとは
きっと共感できるのではなかろうか。
とても淡々として、さほど芝居心のないラブロックという美青年のやる気のない感じが余計にあっさりとしていて
結構重いラストだったはずなのに、さほど感じられなかったのは、意外と作り手の功績かもしれない。
しかしものすごく見たいと思った頃に一向にソフト化されず、今こうして色々とラッシュのように発売されるのは
確かにありがたいことではある。>悲しみの青春とかドリアングレイとか、本当にびっくり。
鑑賞後記:(4th, May, 2012)
BGMがぶつ切りになっちゃう編集が拙いのは当時ではしかたないのかもしれないが、映像は予想以上に
クリアでキレイ。記憶にあるTV放映時画像が録画ビデオだったので酷かったから余計嬉しかったのもあり。
ストーリーは本当にシンプルで、今では考えられないような不器用さとプリミティブで炸裂だが
「青春」に相応しい美麗なキャスティングでその欠損を補って余りある。
ただ一番の名演は、マッシモ(アラン・ヌーリー)の年上のかつての恋人らしいエデーラさん。
親のすねかじって大学行ってるらしい3人の若者には完全にない、工場勤めの気丈な女性が
年下の恋人に優しく包み込む愛で満足している図は、切なく崇高でさえある。
自分がその年に近づいたから彼女の哀愁が沁みたのかもしれないが、彼女の少ない出演シーンが
妙に心に残ったのも確か。
(そして、「マッシモを」かつて愛した女性ということで、彼女の元に赴くグイド(ラブロック)は、
自身の本心を知りながら直視できずに、想いと共に自己昇華したギリシャ悲劇の少年のようで
限られた時期にこういった美しい在り様をフィルムに納めることのできた俳優は幸運だと思う。
それから当時の流行なのか、比較的リリカルなシーンで挿入されるマーラーの交響曲5番アダージョ。
かのヴィスコンティ「ベニスに死す」があまりにも有名だけど、こちらが先だとしたらこれまたびっくり。
確かにマーラーの優美な旋律はこれらにマッチしている。(トッド・ヘインズの「ベルベット・
ゴールドマイン」では交響曲6番が使われていましたそういえば。余談)