NHK「プロジェクトX」のプロデューサーだった今井彰さんの、小説の形をとった自叙伝です。
分量は383ページで、所要時間は4時間程度、四部構成です。それぞれの内容は、
第一部:出世作「タイス少佐の証言」を作るまでの過程や妻との出会い、
第二部:「プロジェクトX」を作るまでの過程やNHK会長との出会い、
第三部:会長の失脚と、会長や「プロジェクトX」に対する某新聞系列メディアからの批判、
第四部:「プロジェクトX」の捏造疑惑と上記メディアのより強い攻撃、さらに万引事件の経緯まで
というものです。小説という形である以上、
実在の名称そのものではありませんが(例:「チャレンジX」)、
おそらくすべて実在の人物・メディアを念頭に置いて記しています。
その意味ではノンフィクションに近いかもしれません。
内容は、かなり偏った表現がある(著者との対立者は意図的に悪い表現を用いている)ことと、
推測・想像の部分があることは否定できませんが、
全体としては著者の経験をできるだけ忠実に記していると思われ、
番組制作に対する著者の能力と情熱や、NHKの組織体質、
妻への思い、某新聞系列との対立の構図などが読み取れます。
「プロジェクトX」が好きだった方や、現実社会のどろどろした人間関係、
組織の非情さを読みたい方にはおすすめです。
逆に、純粋な文学を読みたい方にはおすすめしません。