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ガラスの巨塔
 
 

ガラスの巨塔 [単行本]

今井 彰
5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1万人を超える社員を抱え、国内外に82の支局を構える全日本テレビ協会。ここに、三流部署ディレクターから名実ともにNo.1プロデューサーにのし上がった男がいた。湾岸戦争時に作った1本のドキュメンタリーをきっかけに、受賞歴多数の社会派ディレクターとして名を馳せ、プロデューサーとして手掛けた「チャレンジX」は視聴率20%超の国民的人気番組に。天皇と呼ばれる会長の庇護の下、「選ばれし者」の特別職に誰よりも早く抜擢され、さらなる野望をたぎらすのだが…。悪意と情熱が交差するとき、栄光は汚辱に塗り替えられていく。元NHK看板プロデューサーが書き下ろす問題小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

今井 彰
1956年大分県生まれ。80年、NHK入局。NHKスペシャル「タイス少佐の証言 湾岸戦争45日間の記録」で文化庁芸術作品賞受賞、NHKスペシャル「埋もれたエイズ報告」で日本ジャーナリスト会議本賞・放送文化基金奨励賞受賞、「シリーズ弁護士・中坊公平」でギャラクシー優秀賞受賞など受賞多数。2000年に立ち上げた「プロジェクトX 挑戦者たち」は菊池寛賞、橋田賞などを受賞する。エグゼクティブ・プロデューサーを経て08年退局(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 383ページ
  • 出版社: 幻冬舎 (2010/2/25)
  • ISBN-10: 4344017897
  • ISBN-13: 978-4344017894
  • 発売日: 2010/2/25
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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28 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 道奥太郎 トップ100レビュアー
形式:単行本
NHK「プロジェクトX」のプロデューサーだった今井彰さんの、小説の形をとった自叙伝です。
分量は383ページで、所要時間は4時間程度、四部構成です。それぞれの内容は、

第一部:出世作「タイス少佐の証言」を作るまでの過程や妻との出会い、
第二部:「プロジェクトX」を作るまでの過程やNHK会長との出会い、
第三部:会長の失脚と、会長や「プロジェクトX」に対する某新聞系列メディアからの批判、
第四部:「プロジェクトX」の捏造疑惑と上記メディアのより強い攻撃、さらに万引事件の経緯まで

というものです。小説という形である以上、
実在の名称そのものではありませんが(例:「チャレンジX」)、
おそらくすべて実在の人物・メディアを念頭に置いて記しています。
その意味ではノンフィクションに近いかもしれません。

内容は、かなり偏った表現がある(著者との対立者は意図的に悪い表現を用いている)ことと、
推測・想像の部分があることは否定できませんが、
全体としては著者の経験をできるだけ忠実に記していると思われ、
番組制作に対する著者の能力と情熱や、NHKの組織体質、
妻への思い、某新聞系列との対立の構図などが読み取れます。

「プロジェクトX」が好きだった方や、現実社会のどろどろした人間関係、
組織の非情さを読みたい方にはおすすめです。
逆に、純粋な文学を読みたい方にはおすすめしません。
このレビューは参考になりましたか?
62 人中、52人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 NHKで放送されていた「プロジェクトX」のプロデューサーだった人が書いた小説である。
 「プロジェクトX」と言えば、NHKの看板番組だったので、見た人も多いと思う。私は熱心な視聴者ではなかったが、ホンダのマン島レース挑戦の話や、伏見工業高校ラグビー部の山口良治先生の回などは、見ていて涙がとまらなくなったことを覚えている。

 それだけに、その後の、大阪府にある工業高校のグリークラブをとりあげた際に問題になった過剰演出や、番組終了後のプロデューサー(この本の著者)による万引き事件もまだ、記憶に新しい。正直に言って、このあたりの興味で本書を買った。

 この本では、当然ながらこれらの不祥事についても触れられている。説得力のある記述が掲載されているが、当事者による、小説という形をとった弁明であり、非難されているもう一方の当事者の言動はオーバーに描かれている可能性があり、この点は割り引くべきだろう。

 内情の打ち明け話としては、本書では、これらの不祥事そのもの以上に興味深い点があった。
 1つはNHKでは、かなり派閥人事的なことが行われているということ。番組作りで貢献した人よりも、上からの覚えめでたい人が出世するような風土があるようだ。
 地方にいくつも放送局を持ち、関連会社も多いから、人を飛ばす先には困らない。中央から飛ばされたら、なんて思うと恐怖なんだろうなあなどと想像してしまった。本書で描かれる、同僚の嫉妬も恐ろしい。
 著者が書きたかった点の1つも、ここだと思うが、十分、怖さは伝わってくる。

 もう1つは、社会では、1つの失敗が命取りになるのだな、ということ。当たり前かもしれないが。
 どれだけ成功を収めても、1つの小さな不祥事が、成功を嫉妬する周囲の人々に利用され、プロジェクトXは終了させられる。この書籍を読んで、制作者側にも言い分があるのを知ったが、きちんとその場で、経過報告を出して、反論を試みなければ、どうしようもないのだと思った。
 そういえば、「プロフェッショナル」も終わるそうだが、あの発表も、司会の脳科学者の申告漏れの報道のあとだった。似たような状況なのだろうか。

 万引きも、電車内の痴漢と同じで、そう疑われたら終わり、だろう。この著者は、万引き事件後NHKを退職しているが、著名なプロデューサーだから、小説という弁明の機会を与えられた、といえなくもない。この小説の売れ行き如何で、小説家への道も開けるだろう。
 しかし、多くの人は何かの犯罪の嫌疑をかけられてても、小説を書いて出版する機会などない。これからは、電車内の痴漢と同様、万引きだと思われないようにも努めなければ! と思った。しかし、有名人でなければ、万引きで報道されることもないだろうけど。
 ハッピーエンドで終わることの多かった、プロジェクトXとは異なるが、ある番組制作者がどのようにして成功し、そして、傷つき辞めていったか、という貴重な記録ではあると思う。
 
 
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
内部告発 2010/12/5
By upwave
形式:単行本|Amazonが確認した購入
筆者のキャリアや同時期、某国営放送が世間を騒がしていた背景を鑑みると、本書は一種の内部告発と理解出来る。
内容は非常に読み易く、且つ面白かった。残念ながら、筆者が殊更心血を注いだ番組を私は見たことない。
モンスター番組過ぎて、感動の押し売りの空気を感じられるというか、世間が迎合しているというか、なんだかアンチだった。
しかし同書を読んで、今更ながら、同番組をDVDで見ようと考えている。
本当に仕事が出来るカリスマであれば、社内にあれ程の敵を作るものだろうか、彼はアーティストでありリーダー的素質はないのではないか、と
疑問を持つ反面、視聴料で成り立っている、という独特の事業基盤の上に成り立つ、某国営放送が如何に通常の企業と異なっているか、とも
考えさせられたりする。
社会や組織において人間関係に悩むことは多々あるが、筆者が経験したレベルからすると、自分が味わっている苦しみは、なんと程度が低いものかと感じられた。私も逃げずに強く生きたい、と思う。
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