小学5年生くらいの時に読みました。何に驚いたって、この話がほぼノンフィクションであるということにかなりショックを受けました。(読んでるときは気付いていなかった)。そしてショックを受けた自分に対してまたショックを受けました。戦争の本はけっこう読んでいたのですが、頭のどこかに「お話の世界、自分とは無縁の世界」という概念があったのですね。自分と同年代の少女が実際に経験し、今もまだ生きており、この本を書いたという事実が、本の内容と共に重くのしかかりました。
フィクションの戦争ものというのは、やたら戦争の悲惨さばかりを強調し、かえって嘘臭く説教臭くなってしまいがちですが、ノンフィクションはその時々の事実や心情だけが淡々と語られており、読む人にせまるものがあります。
よくわからないままにはぐれ、亡くなってしまった母親と妹、疎開先での作業の辛さ、ようやく一緒に暮らせるようになった矢先に、目の前で機銃掃射を浴びて死んだ父親、その遺体を焼く薪を用意するために、1人で近所中をかけずりまわらなければならなかったこと。戦争が終ってからは、憧れのセーラー服を借りてラジオの歌番組に応募したことなど、少しずつ明るい話題もあって、少しほっとするとともに、物語のリアルさ、自分と同じ少女達なんだという実感がしみじみ伝わってきました。
せっかくの児童書なので子供達になるべく自然な形で読んでほしいです。頭ごなしに「戦争はまちがってる」という大人の意見を押し付けるのでなく、実際に体験した人、それも当時子供だった人の体験談は、どんなにか子供の心を打つと思います。