「2」の後、ファンからは相当な期待を持って迎えられたであろうこの「3」だが、ふたを開けてみると相当な賛否両論だった。それもそのはずで、まずいわゆるアクションシーンが圧倒的に少ないし、過去作のキャラクターを一通り登場させながらさらに新キャラクターも登場し、ガメラの存在や「なぜ日本にばかり怪獣が集まるのか」という疑問など、とにかくてんこ盛りの構成。そこにさらにイリスに関係することになる少女と、少年の物語も加わるわけで、100分程度の作品ではきついのは当たり前だ。
そんなストーリー上の欠陥はありながらも、十年以上たった今改めてみると、それでもやはり観るべき作品であるということがしみじみとわかる。
「1」「2」を経てさらに進化した戦闘描写は短いながらも圧倒的な迫力と美しさだし、特にラストバトルはさながら絵画のようだ。燃え盛る京都の街をバックにたたずむ二体の怪獣。そして京都駅の「中」(!)での屋内バトル。三部作を締めくくるラストバトルをわざわざ狭い室内でやったことに対しては色々な意見があるだろうが、人間たちが入り乱れながら怪獣の戦いも描く為にはこれしかなかっただろうし、最後の最後になっても火球の打ち合いでは終われない。それまでの怪獣映画の限界や定説を覆してきたシリーズ。派手さはないが、痛みと壮絶さが伝わってくる、屈指の名シーンだと私は思う。
渋谷襲撃シーンのさながらパニック映画のような迫力も最高レベルだ。
尻切れトンボなラストは、普通に考えたらありえないが、終末観と、片腕を失くした怪獣の悲壮な、しかし気高い叫び。怪獣映画の中に「ドラマ」を挟んだのではなく、怪獣そのものにドラマを与えた。欠点は色々と抱えているが、それでも尚、語り継ぐべき怪獣映画の最高峰である。いまだに、これを超える作品には出会っていない。