前田司郎氏の最新作ということで、発売と同時に入手した。
今回もくだらない感じの物語なのだが、くだらなさの突き詰め具合が甘いように感じた。
「コロンタン」という白い不気味な生物は、それなりの知性があるにもかかわらず、食糧として人間に飼いならされている。
この謎の知的生命体は、個体としての記憶をもたず、すべてのほかのコロンタンと記憶を共有している。
つまり、コロンタンというのは「総体」として存在している、という設定、のようだ(違ったらすみません)。
そんなコロンタンとアラサーの空気読めない感じのお姉さんが言葉の起源をもとめて時空を旅する。
前田司郎の小説では、目に見えない「愛」とか「記憶」とか考えすぎてひっくり返って堂々巡りするような流れが特徴で、小説的な枠組みが非常にあいまいである。
枠組みがほんとにプレハブしかなくて、その中に原石がゴロンと転がってる。
そこがとても個人的には好ましいと思うところだが、本書では、その特徴がかえってコロンタンの面白みを半減させているように思えた。
非常にもったいない。
いちばんおもしろい、おいしい部分がさっさと出てきちゃった寂しさがあった。
登場人物の「オッパイまるだし」が大事なおっぱいを常に丸出しにして、もったいない感じに似ている。
そこまで前田氏が考えているとしたら、それはそれであっぱれだ。
次回作を楽しみにしている。