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ガウスの数論 わたしのガウス (ちくま学芸文庫)
 
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ガウスの数論 わたしのガウス (ちくま学芸文庫) [文庫]

高瀬 正仁
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

19歳の青年ガウスは、寝床から起きようとしたそのとき、正17角形の作図法を思いついた。それはユークリッド以来の大発見だったが、彼はその先を見通していた。「これはいっそう広範なある理論の系題にすぎない」。初等幾何に露頭した広範な理論とは数論である。古来それが「秘法的な数」のコレクションであったのに対し、ガウスが目ざしたのは数と数の相互関係。無数にある数を同類でくくった合同式の世界を創造し、予感のなかに見え隠れする基本定理を生涯を賭けて捜し求めた。その歩みを数学的に忠実に再現しながら、創造の不思議に迫つた原典講読。「わたしのオイラー」に続く第2弾。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高瀬 正仁
1951年、群馬県生まれ。九州大学大学院数理学研究院准教授。専攻、多変数関数論・近代数学史。訳書に『オイラーの無限解析』『オイラーの解析幾何』『ルジャンドル数の理論』(以上、海鳴社)、『ガウス整数論』『アーベル/ガロア楕円関数論』(以上、朝倉書店)などがある。上記の古典数学書の翻訳などで2009年度日本数学会出版賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 378ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/3/9)
  • ISBN-10: 4480093664
  • ISBN-13: 978-4480093660
  • 発売日: 2011/3/9
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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 著者の旧著に「ガウスの遺産と後継者達―ドイツ数学史の構想―」海鳴社1990という書物がある。その中で著者は、「19世紀のドイツ数論にはガウスのべき剰余相互法則究明の試みを等しく源泉とする2つの流れが存在している。その一つは19世紀全体を通じて発展を遂げ、20世紀の類体論にまで到達した。もう一つの流れの方はクロネッカー以降中断したままになっている。だが、この中断している流れこそがガウスの企図を受け継ぐ本流なのだ」、という主張を込めた近代数学史論の一つのプログラムを述べている。これを著者は「ドイツ数学史」と呼ぶ。この構想が世に出たのは、1988年の現代数学史研究会に於いてであった。

 それから20有余年の研究期間を経て、著者は壮大なオペラの幕を上げる決断をしたようだ。本書はこの「ドイツ数学史」の第1幕に位置づけられる書物である。先に出版された「無限解析のはじまり−わたしのオイラー−」筑摩学芸文庫2009は、さしずめこのオペラの序曲と言うことができよう。

 本書では、ガウスによる、平方剰余に始まるべき剰余相互法則の追及がどのように為されていったのかが、原典に基づいて詳しく解説されている。上記の言葉を援用するならば、「ドイツ数学史」の源流が正に流れ出さんとする様子が、手に取るように解るのである。特に「5 4次剰余の理論」を読むと、ガウスの4次のべき剰余相互法則の定式化を行うに当たっての苦闘が大変良く理解できよう。代数的整数論の教科書では詳しく述べられることの無い、何故ガウスが有理整数からガウス整数へと飛翔しなければならなかったかが、4次の相互法則の追及を梃にしながら、明快に示されていていて大変に面白い。そればかりでなく、本書は「ドイツ数学史」全体を貫くモチーフを読者に提示している書物でもあるので、どうか隅々まで精読して頂きたいと思う。

 さて、物語の第2幕以降はどのように続いて行くのだろうか。プログラムの内容を踏まえて推測すると、アーベル、ヤコビ、ガロア、クンマー、アイゼンシュタイン、クロネッカー、リーマン、ヒルベルト、高木貞治(そして岡潔)という登場人物が考えられよう。何れにせよ、これらの大数学者達の数論だけに限っても膨大な業績を、「情的共感」を保ちながら、本書と同じレベルで著述して行く事は大変な労力と時間を要する困難な作業であるに違いない。

 この壮大な企図が無事大団円を迎えられることを、評者は心から祈念している(”Je n'ai pas le temps.”と呟くことにならないようにと…)。
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By susumukuni VINE™ メンバー
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高瀬先生の「ドイツ数学史の構想」を知ったのは、数学セミナー1989年1月号と2月号に掲載された記事が最初だった。ガウスの数論と楕円関数論を起源とする「相互法則の究明とその証明原理に内在する超越的契機の解明」を目指す構想の雄大さに心が踊った。翌年に出版された『ガウスの遺産と継承者たち』でその詳細が提示され、現代版『近世数学史談』として、多くのファンを獲得した事は想像に難くない。

本書を読まれる方は、ガウスの数論の本質が高次巾剰余相互法則の究明とその証明原理に秘められた超越的契機の解明にある事を、深く銘記する必要がある。ガウスにおいては、相互法則の発見(定式化)、証明、及びその証明原理が解明されて初めて理論が完結する訳で、その証明原理を解明できなかったガウスが4次剰余相互法則の証明を公表しなかった事情を推察できよう。ガウスが4次剰余相互法則を完全に証明していたという指摘と平方剰余の場合には全く見られなかったルジャンドルの影響が4次剰余の研究において見られるという指摘は、ガウスの原典を長年に亘って丹念に読み込まれた著者ならではの見識であり素晴らしい。

ガウスがその大著『アリトメチカ研究』において、2次形式の種の理論という難解な理論をどの様な理由と目的をもって挿入したのか、また円周等分理論という正多角形の作図に関する理論をなぜ「数論」の名のもとに展開したのか、更に「この理論は円関数のみならずレムニスケート関数にも適用可能である」と語るガウスの真意は何か、この様な問題意識を持って本書を読み進まれると、とても面白い書である事が分かる筈である。これらを正しく読み解いたガウスの継承者たち(クンマー、アーベル、アイゼンシュタイン、クロネッカー、など)は、ガウスの数論を更に大きく進展させ、王朝絵巻の世界を創造している。このあたりを主題とする著者が計画される次作が待ち遠しい。本書が契機となり、高瀬先生の「ドイツ数学史」を愛好する方が増える事を、そのファンの一人として大いに期待したい。
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By まげ店長 トップ500レビュアー
私のような初学者でも当然ガウスの名前くらいは知っていますが、ガウスの構築した整数論と
なると全く雲を掴むような話です...
現代暗号で出てくる整数論をもっと知りたいと「素数入門」「数論入門」とかを読んでも
みましたが、やはり熱意が無いと何度も挫折してしまいます。
(素数入門は2回目に通読、「数論入門」は前半で読むのを停止しました)

著者のファンだったので何気なく買ってあり読みだしてみたのですが、ガウスの葛藤や苦しみ
などが如実に現れていて感激します。
特にルジャンドルとの証明の先行権に関する記述が印象的でした。
(ガウスは自分の考えた過程などの痕跡を綺麗に取り除いてしまうので、綺麗な結果しか見えない
 と有名ですよね...)

そうして本文を解らないながらも読み終えてみると、整数論というのはこういう事をやるのか!と
いう概要が見えてきます。
ようやく、前よりも本気で整数論の初歩を学んでみようという意欲が湧いてきました!
「無限解析のはじまり―わたしのオイラー (ちくま学芸文庫) 」も積ん読状態なので、早々と読まない
と勿体無いですね...
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