ガイトン生理学の第11版の訳本である.原本はすでに第12版が出てしまったが,内容はほとんど変わりない.ガイトン先生が2003年に亡くなられたので,弟子のホール先生が跡を継いで仕上げた.第9版と比べてすぐわかるのは,図が全部カラーになり,見やすくなったことである.訳の日本語も自然で,違和感がない.最初から日本語で書かれたようである.
ただ,初学者の医学生が最初から読める本ではない.まずは,通読する本が欲しいところである.それには生理学テキストかコスタンゾ明解生理学がよろしかろう.初学者の場合には,辞書的な使用法がいいと考える.この本は高学年になって臨床を習い始める頃,あるいは研修医になって基礎にもどって調べたいとき,さらには臨床の前線で活躍されておられても,基礎的な事項を知りたいとき,などに役に立つ本である.
米国の宇宙飛行士マイケル・バレット(Michael Barrett)博士(医師)が国際宇宙ステーションにガイトン生理学テキスト第11版を携行したとのエピソードが伝えるように,応用的な興味が満載の一冊である.是非,医学生に1冊,医局に1冊,所有をお願いしたい.