商品の説明
地球は生物も非生物も含めた総合システムであり、温度や化学組成などを自己調節・維持しているとみなす「ガイア理論」の提唱者が、地球の現状を分析し、再生への処方せんを探る。
まず、ガイアの歴史を振り返りながらその自己調節のメカニズムを解説する。一方で、ひたすら人口を増やし、食糧生産のために大規模に土地を奪い、空気と水を汚し、温暖化ガスを発生させ、ガイアが気候や化学組成を調節するのを妨害してきたわれわれ人類は、「思いがけずガイアと交戦状態に入ってしまった」と指摘する。年老いたガイアは、無数の生物のために地球を冷やそうと奮闘している。が、人間は自分たちの利益だけのために地球を支配しようとしている。怒りを募らせるガイアは、「絶滅という究極の罰をもって脅している」。
著者は、人類はもはや「持続可能な開発」などしている時間的余裕はなく、「持続可能な撤退」に向けて行動すべきだと主張する。
原子力の活用を強く勧める
「最優先しなければならないのは、少なくとも急激な変化が起こらない状態に世界が落ち着くまで、文明を生かし続けること」とする著者は、ガイアの力を妨げない唯一のエネルギー源として、原子力の活用を強く勧める。原子力が危険、有害というイメージは「誤っている」と指摘。原子力こそ、温暖化ガスを排出せず、排出物を最小限まで減らせる安全で信頼できるエネルギー源だと説明する。
持続可能な撤退を実現するための新たな技術も紹介する。具体的には、宇宙空間に“日よけ”を作り、太陽の放射エネルギーの流入を減らす技術、海洋性の層雲を人工的に作る技術、食物を“合成”する技術などの効果を考察している。いずれも実現は容易ではなさそうだが、地球再生に望みを賭ける著者の強い思いは十分に伝わってくる。
著者が繰り返す「ガイアの幸福は常にわれわれ自身の幸福に優先する」との訴えは、ひたすら発展、成長を目指してきた現代人に重く響くものとなっている。
(日経エコロジー 2007/01/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
出版社/著者からの内容紹介
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1919年英国生まれ。生物物理学博士、医学博士。英国国立医学研究所、米国ハーバード大学医学部、英国オックスフォード大学医学部などで研究員および教授を歴任。57年、電子捕獲検出器の開発に成功。この装置によって、フロンや、その他地球環境に影響を及ぼす微量成分に関する分析が急速に進展。60年、NASAの火星生物探査計画に招聘され、その過程で地球大気の特殊性を認識し、「生物圏が地球気候と大気組成を、生物が生きていくうえで最適な状態に調整・維持している」という「ガイア仮説」を提唱する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)