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ガイアの復讐
 
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ガイアの復讐 [単行本]

ジェームズ ラブロック , 秋元 勇巳 , James Lovelock , 竹村 健一
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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ガイアの復讐
地球は生物も非生物も含めた総合システムであり、温度や化学組成などを自己調節・維持しているとみなす「ガイア理論」の提唱者が、地球の現状を分析し、再生への処方せんを探る。

まず、ガイアの歴史を振り返りながらその自己調節のメカニズムを解説する。一方で、ひたすら人口を増やし、食糧生産のために大規模に土地を奪い、空気と水を汚し、温暖化ガスを発生させ、ガイアが気候や化学組成を調節するのを妨害してきたわれわれ人類は、「思いがけずガイアと交戦状態に入ってしまった」と指摘する。年老いたガイアは、無数の生物のために地球を冷やそうと奮闘している。が、人間は自分たちの利益だけのために地球を支配しようとしている。怒りを募らせるガイアは、「絶滅という究極の罰をもって脅している」。

著者は、人類はもはや「持続可能な開発」などしている時間的余裕はなく、「持続可能な撤退」に向けて行動すべきだと主張する。

原子力の活用を強く勧める

「最優先しなければならないのは、少なくとも急激な変化が起こらない状態に世界が落ち着くまで、文明を生かし続けること」とする著者は、ガイアの力を妨げない唯一のエネルギー源として、原子力の活用を強く勧める。原子力が危険、有害というイメージは「誤っている」と指摘。原子力こそ、温暖化ガスを排出せず、排出物を最小限まで減らせる安全で信頼できるエネルギー源だと説明する。

持続可能な撤退を実現するための新たな技術も紹介する。具体的には、宇宙空間に“日よけ”を作り、太陽の放射エネルギーの流入を減らす技術、海洋性の層雲を人工的に作る技術、食物を“合成”する技術などの効果を考察している。いずれも実現は容易ではなさそうだが、地球再生に望みを賭ける著者の強い思いは十分に伝わってくる。

著者が繰り返す「ガイアの幸福は常にわれわれ自身の幸福に優先する」との訴えは、ひたすら発展、成長を目指してきた現代人に重く響くものとなっている。


(日経エコロジー 2007/01/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

出版社/著者からの内容紹介

地球は今、怒っている。もう手遅れなのか――「地球の臨床医」、ガイア理論の提唱者である著者による、人間によって傷つけられ、壊滅状態に近づきつつある地球の診断と再生への処方箋。

登録情報

  • 単行本: 290ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2006/10)
  • ISBN-10: 4120037746
  • ISBN-13: 978-4120037740
  • 発売日: 2006/10
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 叡知へと向かう書, 2006/11/16
レビュー対象商品: ガイアの復讐 (単行本)
地球をひとつの巨大な生命体と考えるガイア思想のラブロック氏の地球診断書。
地球環境の危機的状況を知らせ、人類へ警告を打ち鳴らしている。そしてより多くの人に地
球の性質と危険の理解を得るためにメタファーの重要性を説く。

この本は地球の病状を知るのみならず、生命とは何か、この世界とは何か、人間とはどうい
う生き物かを深く考えさせられる。同時に従来の環境保護の誤りや失敗を指摘し、原子力や
発ガンという人々が持つ恐怖に対してメスを入れ、人類が今後地球とどう接するべきかを
文明の灯を消すことなく提案する。無駄なページがひとつもない本。

ガイア理論はまだ暫定的なもの。しかし未来という時間スケールで見通すなら人類はガイア
思想を獲得し、理論を成熟せねばならないと思われる。地球は人間の私物ではなく、人間が
地球の一部であることを知らねば地球は崩壊し、人類の未来もなくなる。
今は早急に目の前に危険が迫らないと気がつかないという人間の性質と戦わねばならない。
ふるさとガイアの概念は遠い未来、宇宙へと旅立つ人類にとっても有益になるのだから。
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16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 地球の危機に警鐘, 2007/2/11
レビュー対象商品: ガイアの復讐 (単行本)
 地球にとって何よりも怖いものが地球温暖化であるということは、この問題が各種メディアで取り上げられるようになった昨今でも理解されていない。生命環境としての地球にガイアというメタフォリックな名前をつけてしまったことが仇となって、精神論や新興宗教的な興味関心を掻き立てたガイア理論(ガイア仮説が元になる)の提唱者である著者は何よりも科学者であるということを今こそ再認識して、その言葉に虚心に耳を傾けたい。読者がどの立場に耳を置くにせよ、興奮した変人のたわごとではない科学者の言葉として受け止める態度が望まれる。

 どうしたわけか、ロハスという考え方が日本ではかっこいい(セレブな)、環境問題にコンシャスな人間の消費生活になってしまっている。エコロジーという観念がどうも聞こえのいい商業戦略になってしまっている私達の国でこの本がきちんと理解されるかどうかは不明だが、えてして良書であることをまず述べたい。

 著者の提唱したこれまでのガイア理論に精通していない、一般の読者向けに書かれた本と思われる。詳しい問題よりは、読者の理解を助けそうな様々な問題(今起こっている問題)をより広い視野から見るように促してくれる。

 核兵器の脅威と原子力の活用がまた別物であることも日本では理解されにくい。そして、それが不幸な歴史によっていることも理解される。けれども、本書でなんらかの引っ掛かりが生まれることを願う。

 環境を壊しながら生きていく人間の文明が存続する道を本気で模索したいと考えさせる素晴らしい入門書である。巻末には用語の解説とささやかな注が添えられているが、その他の専門的な科学への入門書への手引きがなされていることが大変嬉しい。

 一人でも多くの人が感心を持ってくれることを望む。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 ガイア理論は興味深いけれど・・・, 2011/9/8
レビュー対象商品: ガイアの復讐 (単行本)
ガイア理論は私たちの生き方を考えさせてくれるきっかけを与えてくれています。

本書はガイア理論とはどういうことであるかを語り、私たち人類が原因を与えた地球温暖化、気候変動が危機的な状況であるということを警告しています。

その危機的な現状のなかでは原子力エネルギーが不可欠であるということを、風力や波力天然ガス他さまざまなエネルギー源について解説したあとに、強く語っています。

気になる点は、さまざまなエネルギー源では多くの危険性を伴うものもあったり、十分なエネルギーを供給できないだろうことを説明し、

「原子力が地球に最小限の変化しかもたらさない安全な折紙付きのエネルギーだ」と語っています。

私は原子力エネルギーについて、危険、安全、とハッキリと言える知識はありませんので、どちらとも言いません。

ジェームズ・ラブロック氏は原子力エネルギーをエネルギー源のポートフォリオに欠かせない要素であるとして、あらゆる問題の解決策とは見ていないと言っています。

しかし、やはりどこか気になるのは、原子力と他のエネルギー源との比較の仕方です。

例えば、中国の巨大なダムが決壊した場合、長江の下流にの100万人の人々が命を落とし、チェルノブイリの死者は75人にすぎないということ。

また、「もし40万人が被爆の一週間後に死ぬというなら、それは実に恐ろしいことだが、変わりに当初予定されていた寿命よりも一週間早く死ぬとしたらどうだろうか」

という点は、日本の政府が会見で言っていた、「ただちに健康に影響を与えるものではない」と言った曖昧な言葉と重なってしまい、違和感をおぼえました。

確かに自然災害ともなれば、3.11の震災のように多くの命をうばってしまうこともあるのでしょう。

しかし、福島原発のあの爆発を見て、だれが安全だと思うでしょうか。

原発事故後、処開国の貿易船が太平洋岸の港に寄港するのを取りやめたことや、ドイツ、イタリアなどが脱原発の動きを見せたこと、

日本を訪れる外国人観光客が激減したことなどの現状を知ると

2006年出版の本書は、現時点においては説得力が弱いもののように思えました。

本当に「折紙付の安全なエネルギー」であるならば、現在まで、原子力に対する恐怖(博士いわく誤った恐怖)がなくなっていても良さそうですが、

何も変わっていないようです。

しかも、現時点では「原子力は安全だ」と誰も表立って自信を持って言っていません。

というわけで、さまざまな思いが私にはありますが、ガイア理論については多少理解できたものの、

ガイア理論とつながりのある私たち人間の“生き方”をどうするのか?のようなところにはほとんど語られていなかったのは、私の期待はずれでした。

この本の監修者が誰であるかも関心を寄せるところでもあります。

本書は、関心のある人は一度読んでみて、そして自分の答えを見つけることだと思います。
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