内容紹介
家族の日常の心理的葛藤をきめ細やかに描き
リアリズムの本質を確立させた人気作。
主要な国々で公開され
ドライヤーの名前を国際的に知らしめた作品.
「あるじ」は、市井の人々の家庭生活を背景として家族の日常の心理的葛藤をきめ細やかに描いた作品で、ドライヤーが作った映画の中でも、とりわけ大変親しみやすい作品として知られている。
1925年、「ミカエル」を仕上げた後、ドイツから故国デンマークに戻ったドライヤーは、デンマークの新興の映画会社パレージウムでこの室内劇映画を製作した。コペンハーゲンの慎ましい家庭生活を大変リアルに描いた点で、この作品は映画観客の大いなる関心を引き、ドライヤー作品の中でも最も大衆的な人気を獲得することとなった。デンマークの作家スヴェン・リンドムの芝居<暴君の失墜>を映画化したこの作品は、原作の芝居にある喜劇的要素を幾分生かしながら、夫が失業中の家庭を室内劇的な手法で描いてゆく。
コペンハーゲンのあるアパートにフランセン一家が暮らしている。妻のイダは一日中働きずめである。失業中の夫ヴィクトルは何かにつけて妻に不平不満をこぼしている。家の手伝いに、かつてはヴィクトルの乳母であったマッス婆さんが時々やってくる。マッス婆さんがヴィクトルの態度や言葉を注意しても、彼は全く意に介さない。精神的に疲れ果てた妻のイダは、しばらくの間実家の母親のもとに身を寄せることにする。妻が不在の間、フランセン家を取り仕切るのはマッス婆さんの役目となる。ヴィクトルを赤ん坊の時から知っているマッス婆さんは、ヴィクトルを手厳しく扱い、これまでは家のあるじとして暴君のようにふるまっていた彼を甘やかそうとしない。次第にヴィクトルは家庭の中で妻のイダがいかに自分や家族のために一生懸命働いてきたかを実感し始める…。
特典
解説リーフレット(小松弘+小川佐和子、40頁)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
カール・Th・ドライヤー監督が普通の人々の日常を描写し、室内劇の可能性を追求した作品。家族に対し粗暴に振舞うフランセン家主人・ヴィクトア。手伝いのマースが激しい言葉を投げると、ヴィクトアは家を出てしまい…。