暴風雨災害の増加、氷河の減少など温暖化の影響と思われる事象は既に見え始めている。研究者の間では、温暖化の結果として起きた現象が大気中のCO2濃度を上昇させ、さらに影響が大きくなる悪循環が起き、予想よりも速いペースで悪影響が生じると懸念する声が出ている。
米企業の姿勢にも変化
製造業に比べ、環境問題による経営への影響が少ないと見られがちな金融業界でも、様々な変化が起きている。保険業界では、毎年発生する自然災害による莫大な経済的損失が大きな負担になり始めた。機関投資家の間では、企業が温暖化問題に配慮しているか否かを投資の判断基準とする傾向が出ている。
とかく、環境対策に後ろ向きと思われがちな米国でも、電力会社幹部が炭素税導入を主張したり、これまで温暖化問題に消極的とみられていたゼネラル・エレクトリック(GE)が環境配慮型ビジネスの推進を表明したりという動きが見え始めている。こうした米国企業の変化の背景にあるのは、いずれCO2排出規制が導入されると見越していることや、エネルギー使用効率向上の取り組みが進む欧州や日本の企業に後れを取るとの危機感を抱いていることなどだという。
加えて市民や市民団体の行動も、企業の背中を押している。例えば、環境保護団体のレインフォレスト行動ネットワーク(RAN)は熱帯雨林の破壊や地球温暖化につながる事業に投資する金融機関への抗議行動を実施。これを受けて米大手金融機関が相次いで、環境破壊につながる投資を行わないとする環境方針を策定する結果となった。
カーボンリスクの高まりは、それを裏側から見ればビジネスチャンスの到来でもある。日本企業も世界でビジネス・ルールが急速に変わりつつあることを認識し、「炭素制約社会」での勝ち残り戦略構築を急ぐべきだと説いている。
(日経エコロジー 2006/11/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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