「HowTo本は数冊持っているが、実際のエアブラシは使い始めたところ」という人間の視点で書かせていただきます。
結論から言うと、他のHowTo本とはかなり異なるスタンスで書かれているので、それが新鮮に感じました。
特に、Chapter3の発色に関する議論やクリアー・メタリックの特性についての記述の部分。
今まで私が読んだ何冊かは「こうすれば失敗しない(成功する)」という視点で書かれていました。初心者が傍らにおいて作業するための本としてはそれで正しいのだと思いますが、一方でこの本は「突き詰めていくとどこまできれいにできるのか」にスポットが当たっているように思います。少し悪い言い方をすれば、「この程度の塗装で『きれい』にできたと思ってはいけない」というようなニュアンスがところどころにちりばめられているので、人によっては「いいじゃん別に」とむっとするかもしれません。
書いてあることの技術自体が難しい、というわけではないです。言うならば、テクニックを紹介するのではなく塗装の原理を説明している、という感じでしょうか。
「なぜそうするのか」という背景の部分が分かっていれば、HowTo本に載っていない未知の状況に出くわしたときにも応用が利く、という意味で、この本が主張していることは実は結構深いのではないかと思います。
とはいえ、基本やtips的なことが書いていないかというとそうではないので、一応これ一冊あればエアブラシ塗装がわかる、という仕様にはなっています。
それから個人的には、この本で紹介されている「塗料の濃さ」を判定する小技が何気に役に立ってます。
ただし、上に述べたように「突き詰めていくと」という部分の話なので、「一応きれいに吹ける」人がこの本を読んで劇的に改善するわけではないと思います。ただ、いくつかHowTo本を持っていて、どれも似たり寄ったりだな、と感じている人には、知識を補完できるという意味でよいかもしれません。なので、「とことんきれいに吹きたい」人向けかと。