エディアカラ紀からカンブリア紀まで、所謂進化の大爆発が起きたとされる時期の動物相について、最新の情報をもとに分かりやすく記した、ヴィジュアル豊富な書物。適切な解説書の少ない分野であり、それだけで貴重で、価値ある書といえる。しかし、残念ながらいろいろと瑕疵が多い。まず用語の誤り。たとえば胞子動物門(75p)はもちろん刺胞動物門の誤り。次に誤植が特に固有名詞に多く、この本は殆ど原綴を載せないためどちらが正しいか判らなくなる。チェゾイアがチュゾイアか(p190)ベッツリシスタかベッツロシスタか(p160)等。そして用語の不統一、あるいは説明が後先になるせいで理解しにくい。歩脚動物は何故かp101のグラフでだけ「葉状肢動物」と書いてあるし、ハルキゲニアもp106でだけハルシジニア。二肢性という用語の解説が出てくるのは用語の登場より随分あと。アクリタークなんて解説すらされていない。イラストは綺麗であるが正確と言い難いものもあり、p202のフクシアンヒュイアの図など、どう見ても「1体節から2〜4本の肢が出ている」ようには見えない。とはいえ、これらのことは至極簡単に訂正可能な筈。これだけの本なのだから、もし重版されるなら是非ご訂正をお願いしたい。