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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
感動する哲学書,
By
レビュー対象商品: カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (単行本)
純粋理性批判は難解な哲学書の中でも取分け難解と言われている。確かに、一人で登るにはカント哲学は専門用語と翻訳の壁が高すぎる。しかし、著者はその難解さを平明な一般表現でじっくり解きほぐしてくれる。それだけではない。様々な興味深いエピソードや思考実験で、私たちの世界観そのものに無数にある先入観を気付かせていく。そのプロセスは、楽しくエキサイティングでさえある。そこにある哲学は晦渋な観念の遊戯ではなく、日常生活や社会状況を支配する私たちの理性や感性に、新たな自由への可能性を示してくれるものだ。こうして従来の哲学入門書には見られないカントへの深いアプローチは、私たちのモノトーンなカント像を鮮明に多彩に蘇らせてくれるのである。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
わかりやすい,
By カスタマー
レビュー対象商品: カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (単行本)
高尚、清潔、不可侵といったイメージをもたれる理性のスキャンダルを明らかにする書。人間理性が、感性によって与えられる所与以上のものを把握しようと飛躍すると、理性は能力の限界に突き当たり誤謬を生み出す。例えば、「宇宙の始まりはあるのか?」、「世界に果ては在るのか」、「原子のような、物質の最小単位のようなものはあるのか」、「神はいるのか」といったたぐいの問いは、その答えを導く出すための『素材』が絶対的に欠けている為に、絶対的な答えを導き出すことが出来ず、二律背反(アンチノミー)に陥る。それらは、理性が自らの権利を越権したために、スキャンダルに陥った顕著な例だ。上で挙げた問いは、カントが純粋理性批判に於いて提示し、その答えがアンチノミーに陥る事を証明した四つの問いである。本書の前半では、カントが行ったアンチノミーの証明についての説明が書かれている。後半でもそれとの絡みで、因果律についてや、自由意志について、カントの二項図式について、等が書かれている。結構分り易い本。カント哲学全体を見渡すには向いているかもしれない。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
入門書として最適の本,
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レビュー対象商品: カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (単行本)
石川氏はちくま新書から、”カント入門”という優れた入門書を出しており、こちらはその姉妹編と言える本だと思います。 しかし、どちらを先に読むべきか、ということなら、多少値は張っても、私はこちらを推薦します。決して易し過ぎず、難しすぎず、あたかもカントのごとく真摯な執筆姿勢が窺われる好著だと思います。 カントという哲学者が何を問題とし、何と戦っていたのか、そしておよそ哲学などと無縁に生きている多くの人々にとっていかに重要な存在なのかが良く分かります。 さらに、専門家の間ではおよそ評判の良くない定言命令法(あまりにも世俗的な現代社会ではさもありなんーですが)についても、石川氏の叙述に従って考えてみれば、確かに一定の説得力を持っていると思えます。
さらに本編とはあまり関係がないにせよ、同時代の哲学者、ヴォルフ、メンデルスゾーンやレッシングのエピソードや、特に黒人哲学者アモーについてなど、これまで知らなかった珍しい話も挿入されており興味深いものがありました。 いずれにせよ、カントの哲学は人に生きる力を与えるー、そういう読後感を得られました。
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