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カントの批判哲学 (ちくま学芸文庫)
 
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カントの批判哲学 (ちくま学芸文庫) [文庫]

ジル ドゥルーズ , Gilles Deleuze , 國分 功一郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

独自の視点で哲学史に取り組んできたドゥルーズは、本書で、カントの3つの主著、『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の読み直しをはかる。カントの批判哲学が、理性・悟性・構想力という諸能力の組み合わせの変化によって作動する一つの置換体系として描き出され、諸能力の一致=共通感覚に、その体系の基礎が見いだされる。カントを、乗り越えるべき「敵」ととらえていたドゥルーズが、自らの思想を形成するために書き上げたモノグラフィー。平明な解説と用語解説を付す。新訳。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ドゥルーズ,ジル
1925‐95年。フランスの哲学者。1970年よりパリ第8大学教授。60年代以降の言語論的な転回、ポスト構造主義の思想的文脈のなかで思索を重ね、主著『差異と反復』(1968年)などを世に問う

國分 功一郎
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修了。パリ第10大学を経て、多摩美術大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 237ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/1/9)
  • ISBN-10: 4480091300
  • ISBN-13: 978-4480091307
  • 発売日: 2008/1/9
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 古本屋A トップ1000レビュアー
形式:文庫
三批判書を統合的に解釈しようとする試みが本書のそれだが、この試み自体は、新しくなく、むしろ古典的なものだ。古くはドイツ観念論がその運動で、ヘーゲルの哲学にその最大の成果物を見るだろう。また岩崎武雄らの秀逸なカント解釈でも、三批判書の内的な関係は、積極的に模索されている。したがって、試み自体は全く新みはない事は否定しがたいと思う。だが、ドゥルーズの説明方式は、非常に独特で、「能力」の側面から、アプローチする。カントにあっては、認識能力(思弁的関心=感性界=悟性能力)と欲求能力(実践的関心=超感性界=理性)の関係が必ずしも明らかではなく、この統合に苦慮の結果、「判断力批判」を書き、両能力の一致を可能にする前提を規定しようとした。ここでカントが注目する判断力は、反省的判断力であって、個別から普遍を導出するideationの機能だ。フッサールの探究にも交差する点だと思う。認識能力も欲求能力も、この反省的判断力において、機能を発揮するし、またそれなしには、そもそも成り立たない、ということだ。そしてここでキーになるのが「構想力」である。構想力によって、超感性界の道徳律が、感性界において実現されるうるということだろう。しかし、美と自然合目的性に、感性界と超感性界の統一を考えることは、やはり議論が屈折していて明らかとはいえない。本書におけるドゥルーズの説明も決して明瞭とはいえないが、それはカントの哲学に胚胎する問題であってやむを得ないと思う。それにしても、感性界をひとつの全体に纏め上げることが「理性」の機能であり、構想力を駆り立て、しかし、「理念」との乖離に直面すること(「矛盾」の認識)も、また「理性」だ、とドゥルーズが語るとき、これはヘーゲルの弁証法哲学そのものであり、カント=ヘーゲル関係を確認する思いがする。するとカントからヘーゲルへの推移の歴史的必然があるが、また、カントもヘーゲルも主体(有限者の立場)から説き起こしておきながら、統合を考えるに及んで「無限者の立場」から解決しようとする(つまり「理念」を持ち出すことは無限者の立場)という一貫性の無さがあるように思える。だからアドルノが「全体性」の虚偽を言うのはこの辺りだと思えた。「結論」において有名な「置換体系」なる言葉が登場するが、これは、各諸能力が体系的に配置されていても、一致とアンサンブルがあることを述べていると思う。本書全編はこの説明だったとも言えるが、明瞭とは言い難いがカントの意図を良く表していると思った。また、本書末尾に展開される、「自然」から「歴史」へのカント哲学のメッセージは、これまたヘーゲル哲学を髣髴とさせ、つまり、ヘーゲルはカントのvariationだったとさえ言いたくなる説明だが、おもしろく、説得力があった。解説者が言うような自然の狡知と理性の狡知に差は無いのが実情で、「残酷な歴史観」と言う点でも同じだ。でも、本書末尾の解説は、ずば抜けていて、故意に不明瞭な本文の理解を助けてくれるばかりか、ドゥルーズ哲学がカント、他の哲学者との関係で鳥瞰できる。とはいえ、「潜在性」「差異」「現実化」などドゥルーズ独自の思想は解説者が言うような「暴走」も「独創性」もあるとは思えなかった。独創的とまでは行かず、むしろ、分かりにくいが独特の哲学解釈の叙述に魅力があるように思う。
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21 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
カント案内 2008/2/14
形式:文庫
現代哲学はカントに始まったといわれています。そこにとどまっている多くの哲学者・思想家と異なり、明らかにそこから一歩を踏み出したドゥルーズによるカント案内。三つの批判書をまとめて読むというとんでもないことを、日本語でわずか150頁でやっています。信じがたい離れ業です。

しかも、解説の國分さんが指摘するように、哲学の本道をいく初期の作品にもかかわらず、後の破天荒なドゥルーズ思想の萌芽がはっきりと現れています。(國分さんのわかりやすい解説もすばらしいです)

理性を「置換体系」として捉え、三つの批判書をその体系の提示として「図式化」し、可能性の条件へと遡行する力業。近代の教養だったカントと、現代の教養となりつつあるドゥルーズをともに理解できるすばらしい本です。買い!
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